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11. 初日 2
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領地を田舎と言われて田舎だしなぁと考えていたレイラに一人の少女が興味を持ったよ うである。担任はその気配を感じながらやけどするのは興味を持った方、シャルロッテト・ネージュ子爵令嬢だろうな、と思っていた。
シャルロット・ネージュは自分の母親のコピーであった。なまじ魔力量があったので上級コースに来ているが魔法のコントロールはぎりぎりで落第すれすれである。また座学が苦手なので座学が得意な女子には当たりがきつく、男子には擦り寄って行くわかりやすい女生徒だった。レイラはシャルロットに父の愛人と似た匂いを感じ取っていて警戒していた。このクラスにいる生徒は男子生徒が20人、女子生徒は12人という比率だった。他のクラスは大体40人前後なので他のクラスより二割程少ない。
12人の女子生徒には侯爵令嬢が1人、伯爵令嬢が6人(レイラもこの中の一人だ)子爵令嬢、男爵令嬢が各2人、残り一人は教会推薦の『聖女』候補でフィールズ侯爵家が後援している平民の女子生徒だった。聖女候補の少女、リリスは平板な表情でレイラを見ている。
「あ!ドゥエスタンって!俺の兄ちゃんが夜会でしけ……」
男子生徒の一人がやばい事を口走り、隣にいた騎士団長の次男に押えられた。騎士団長の息子はリチャード・オーエンといい元は隣国から留学してきた隣国の16皇子のお付きだった父がオーエン子爵令嬢と結婚したのだ。オーエン子爵自身も先祖は隣国の人間だったそうでこの国では珍しい家名である。押えられたのはリチャードの幼馴染のモロー伯爵の次男のエメであった。先日のメイのご乱行はモロー伯爵家の夜会であったらしい。
レイラはどうせ父親か愛人が何かやらかしたんだろう、と思って声を出した男子、エメを冷たい目で見た。リチャードはぺこっと頭を下げる。そしてエメにだけ聞こえる小さな声で注意をする。
「女性に聞かせる話題じゃない。……もてなくなるぞ」
リチャードの言葉にエメは不満顔だが黙った。
自己紹介が進んでいく。女子生徒の自己紹介を聞いて要注意はリリスとシャルロッテだなとレイラは判断した。シャルロッテはあからさまにレイラにそういう視線を向けてきているのでわかりやすかった。リリスとペールはフィールズ侯爵家絡みで要注意だと思っていた。レイラがライン公爵家のルシアと仲良くするうちにフィールズ家とライン家の確執めいたものをヴィヴィアンヌから訊いたからでもある。
『早晩貴方がルシアと仲がいいのはバレるから……、フィールズ家とは敵対すると思う』
ヴィヴィアンヌの祖父の時代に何かあったらしいがさすがにヴィヴィアンヌも知らなかった。
レイラは一瞬息を吸ってから校長室の扉をノックした。
「お入りください」
メイドがドアを開けてくれる。校長を前にレイラは見事にカーテシーを決める。
「座り給え」
校長と相対する位置に座らされた。校長の横には先ほどの学年主任がいた。
「あれはいったいどういう偽造だね?」
学年主任が疑いの言葉を吐く。
「偽造ですか?」
レイラは不思議そうに首を傾げる。
「どうやってあの光を出した?」
学年主任は元の陰険そうな顔をもっと陰険に歪めている。
「君は魔法はどうやって学んだ?」
「領地にいるころに師匠について子供の頃から色々教えてもらいました」
「……師匠という方にこちらに来てもらえるかな?貴方の属性はその後で決まります」
「判りました。師匠に話しておきます」
レイラは一旦解放された。
シャルロット・ネージュは自分の母親のコピーであった。なまじ魔力量があったので上級コースに来ているが魔法のコントロールはぎりぎりで落第すれすれである。また座学が苦手なので座学が得意な女子には当たりがきつく、男子には擦り寄って行くわかりやすい女生徒だった。レイラはシャルロットに父の愛人と似た匂いを感じ取っていて警戒していた。このクラスにいる生徒は男子生徒が20人、女子生徒は12人という比率だった。他のクラスは大体40人前後なので他のクラスより二割程少ない。
12人の女子生徒には侯爵令嬢が1人、伯爵令嬢が6人(レイラもこの中の一人だ)子爵令嬢、男爵令嬢が各2人、残り一人は教会推薦の『聖女』候補でフィールズ侯爵家が後援している平民の女子生徒だった。聖女候補の少女、リリスは平板な表情でレイラを見ている。
「あ!ドゥエスタンって!俺の兄ちゃんが夜会でしけ……」
男子生徒の一人がやばい事を口走り、隣にいた騎士団長の次男に押えられた。騎士団長の息子はリチャード・オーエンといい元は隣国から留学してきた隣国の16皇子のお付きだった父がオーエン子爵令嬢と結婚したのだ。オーエン子爵自身も先祖は隣国の人間だったそうでこの国では珍しい家名である。押えられたのはリチャードの幼馴染のモロー伯爵の次男のエメであった。先日のメイのご乱行はモロー伯爵家の夜会であったらしい。
レイラはどうせ父親か愛人が何かやらかしたんだろう、と思って声を出した男子、エメを冷たい目で見た。リチャードはぺこっと頭を下げる。そしてエメにだけ聞こえる小さな声で注意をする。
「女性に聞かせる話題じゃない。……もてなくなるぞ」
リチャードの言葉にエメは不満顔だが黙った。
自己紹介が進んでいく。女子生徒の自己紹介を聞いて要注意はリリスとシャルロッテだなとレイラは判断した。シャルロッテはあからさまにレイラにそういう視線を向けてきているのでわかりやすかった。リリスとペールはフィールズ侯爵家絡みで要注意だと思っていた。レイラがライン公爵家のルシアと仲良くするうちにフィールズ家とライン家の確執めいたものをヴィヴィアンヌから訊いたからでもある。
『早晩貴方がルシアと仲がいいのはバレるから……、フィールズ家とは敵対すると思う』
ヴィヴィアンヌの祖父の時代に何かあったらしいがさすがにヴィヴィアンヌも知らなかった。
レイラは一瞬息を吸ってから校長室の扉をノックした。
「お入りください」
メイドがドアを開けてくれる。校長を前にレイラは見事にカーテシーを決める。
「座り給え」
校長と相対する位置に座らされた。校長の横には先ほどの学年主任がいた。
「あれはいったいどういう偽造だね?」
学年主任が疑いの言葉を吐く。
「偽造ですか?」
レイラは不思議そうに首を傾げる。
「どうやってあの光を出した?」
学年主任は元の陰険そうな顔をもっと陰険に歪めている。
「君は魔法はどうやって学んだ?」
「領地にいるころに師匠について子供の頃から色々教えてもらいました」
「……師匠という方にこちらに来てもらえるかな?貴方の属性はその後で決まります」
「判りました。師匠に話しておきます」
レイラは一旦解放された。
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