聖女は断罪する

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プローローグ

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 「あれでは女児でないか」

レイラ・ドゥエスタンをみて第三王子は横の側近に耳打ちする。
 15歳の第三王子ジュリオから見てもこの13歳の少女と女児の間に差はなかった。

「でも聖女ですよ」

「光属性魔法が使えるからと言って聖女ではない」

「ならば」

お付きの少年、腹違いの同年の弟で早々に王席離脱した。

「お友達なり、取り巻きなりにして仕舞えば良いでしょう?あなたの得意技ですし」

少年エドワードは続ける。

「あの娘、学園に入ってから一度も家に帰ってないのです。何か気になりませんか?」

ジュリオは異国の平民の母親を持つ同い年の弟を見た。エドワードの勘に何か引っ掛かるものがあるのだろう。
 最悪、この弟に押し付ければいいか、とジュリオは考えた。

「最悪の場合、エドワードに責任を取ってもらうか」

エドワードはにっと笑う。

「そんなことにはなりませんよ。彼女は優秀です。なんせ来年から我々と同じ高等部一年に編入するらしいですから」

ジュリオは驚いた顔をする。

「は?今、一年だろ?中等部の」

エドワードはしれっと報告する。

「中等部では教えることがないそうです。高等部でも危ういとか。お互い、入試の一位の難易度が上がりましたね」

ジュリオはため息をついてその女児レイラを見つめ直した。
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