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再会
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クロエはいつもより地味な格好でダニエルの横に座っている。
ダニエルはマジマジとそんな姉を見てしまっている。
「何よ?」
クロエがジロリとダニエルを見る。
「寮に入る前の姉さんみたい」
「うるさい」
クロエはダニエルの頭を軽くこづく。お付きの戦闘執事は微笑ましいと二人を見ている。
「こんにちは」
ヴィクトリアがミリエルを連れて部屋に入ってきた。
「フロア入口で男の方が捕まってましたわ。ダニエル様に用があるとか叫んでました。呼ばれたとかも」
「誰かな?誰も呼んでないからな」
「あらダニエル、素を出してるのね」
クロエが驚いている。
「ヴィクトリア嬢にはいつものあざと作戦全く通用しなかった」
ダニエルが少し不貞腐れている。クロエとヴィクトリアは目を合わせて笑っている。
「クロエ様、お久しぶりです」
クロエの相合が崩れる。
「前みたいにしましょ?学生時代みたいに」
「わかったわ、クロエ」
「うふ、トリアも元気そうで何より」
二人は本当に嬉しそうだ。ダニエルは姉のこんなに愛らしくリラックスした姿を見たことはない。クロエは決して容姿がずば抜けて良いわけではない。父と母の欠点を全部集めて、かつ、体を動かすのが苦手なのでふっくらとしているのだ。それでも市井の女性と違い王宮で磨き上げられた肌や髪で美しさは底上げされていて貴族女性として不合格ではない、というふうにダニエルは判定していた。
が、ヴィクトリアと楽しげに話している姉は可愛らしい女性に見えるな、と驚いている。
女同士の雑談は取り止めがないな、とダニエルは最近この店で出始めたらソーダ水を飲みながら考えていた。ら、いきなり核心だった。
「クロエは王太子妃、辞めようとおもってるの?」
「あー、トリアにはわかった?」
「宝石を集めてるって、国外逃亡でもするつもりでしょ?」
クロエが黒い顔で笑う。
「あれはね、王太子妃の費用がないからよ。国から出たのは全部正妃様に行ってるの。だから私はドレスを売ってドレスを作るしかないのよ。ま、一度着たドレスを夜会で着るわけにもいかないし丁度いいの。ドレスを石で買ってくれる業者に売ってるの。で、それをお金にしたり、ドレスと変えたり。父上も少しは助けてくれてるのだけど」
もう一つが問題であった。
「こっちを話したかったの!トリアのお兄さんにも伝えておいて欲しいのだけど、王太子殿下と正妃様、陛下を排除して王太子を王位につけるつもり見たいよ?ライザなんとかしないとあなたの家も危ない。うちは……ダニエル、任せた。その頭を使ってなんとかしてね。ま、そもそも我が家は陛下に着くだろうけども」
ダニエルはマジマジとそんな姉を見てしまっている。
「何よ?」
クロエがジロリとダニエルを見る。
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「うるさい」
クロエはダニエルの頭を軽くこづく。お付きの戦闘執事は微笑ましいと二人を見ている。
「こんにちは」
ヴィクトリアがミリエルを連れて部屋に入ってきた。
「フロア入口で男の方が捕まってましたわ。ダニエル様に用があるとか叫んでました。呼ばれたとかも」
「誰かな?誰も呼んでないからな」
「あらダニエル、素を出してるのね」
クロエが驚いている。
「ヴィクトリア嬢にはいつものあざと作戦全く通用しなかった」
ダニエルが少し不貞腐れている。クロエとヴィクトリアは目を合わせて笑っている。
「クロエ様、お久しぶりです」
クロエの相合が崩れる。
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「わかったわ、クロエ」
「うふ、トリアも元気そうで何より」
二人は本当に嬉しそうだ。ダニエルは姉のこんなに愛らしくリラックスした姿を見たことはない。クロエは決して容姿がずば抜けて良いわけではない。父と母の欠点を全部集めて、かつ、体を動かすのが苦手なのでふっくらとしているのだ。それでも市井の女性と違い王宮で磨き上げられた肌や髪で美しさは底上げされていて貴族女性として不合格ではない、というふうにダニエルは判定していた。
が、ヴィクトリアと楽しげに話している姉は可愛らしい女性に見えるな、と驚いている。
女同士の雑談は取り止めがないな、とダニエルは最近この店で出始めたらソーダ水を飲みながら考えていた。ら、いきなり核心だった。
「クロエは王太子妃、辞めようとおもってるの?」
「あー、トリアにはわかった?」
「宝石を集めてるって、国外逃亡でもするつもりでしょ?」
クロエが黒い顔で笑う。
「あれはね、王太子妃の費用がないからよ。国から出たのは全部正妃様に行ってるの。だから私はドレスを売ってドレスを作るしかないのよ。ま、一度着たドレスを夜会で着るわけにもいかないし丁度いいの。ドレスを石で買ってくれる業者に売ってるの。で、それをお金にしたり、ドレスと変えたり。父上も少しは助けてくれてるのだけど」
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「こっちを話したかったの!トリアのお兄さんにも伝えておいて欲しいのだけど、王太子殿下と正妃様、陛下を排除して王太子を王位につけるつもり見たいよ?ライザなんとかしないとあなたの家も危ない。うちは……ダニエル、任せた。その頭を使ってなんとかしてね。ま、そもそも我が家は陛下に着くだろうけども」
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