19 / 58
本音2 side、シャルル
しおりを挟む
結婚以来サラは満たされた顔をしている。……下男にバイユ公爵家を放逐された男を雇ってからは特に。この下男は王家の血に反抗ができないように多重の隷属紋を刻まれ、口がきけないように喉を潰されている。
「サラ、夜の事が満足できてないならあの下男は『使って』いい。ただし外に漏れる程大っぴらに遊ばないで」
「シャルル様は止めないの?」
「ああ」
あの男はもう子供を作れないようにしてある。なのでどれだけ交わっても子供ができることはない。サラがあの男に飽きたらどこかの奥方に売ればいいとプロスペール兄上は教えてくれた。『貴婦人のペット』として重宝されるだろう、と。
あの男を拾ってあれこれしたのはプロスペール兄上だ。あの人の性格の悪さは一級品だ。僕は尊敬してるけどね。王太子と第二王子がなり変わられる危機感を持って第三王子であるプロスペール兄上を隣国の王配として追いやったんだけど……隣国の女王と兄上の組み合わせは最凶で最強だった。正直国力と知力の差でうちの国はほぼ属国となり果てている。
ヴィクトリアの事も兄上が悪い様にはしない、と言ってくれた。僕とのことがなくても子供の頃からトリアの事を可愛がってたからね、兄上。
『令嬢としてはポンコツだと思うよ、あの子。裏がなさすぎる。王族も向かないと思ってた。この国王太子と第二王子はくそだからね。だから私が国の外から、第四王子と第五王子、そしてシャルル。皆で国の状況をコントロールする。働かせるからな」
僕は王家の書類をまとめて保管する部署に回された。その部署で半年後程おとなしくしておいてその後その部署の統括になる事が決まっている。おとなしくしておいてその間に可も不可もない凡庸さを見せつけて部下に侮られるのが仕事、だったりする。
あの下男が来てからサラが夜を求めてくることはなくなった。これで僕の気も楽になった。とりあえず忙しいしあの下男にサラの相手をしてもらっておこう。
不穏な事の無いように庭番としてプロスペール兄上の部下が数人この家に入っているから駆け落ちとかはさせないけどね。
「サラ、夜の事が満足できてないならあの下男は『使って』いい。ただし外に漏れる程大っぴらに遊ばないで」
「シャルル様は止めないの?」
「ああ」
あの男はもう子供を作れないようにしてある。なのでどれだけ交わっても子供ができることはない。サラがあの男に飽きたらどこかの奥方に売ればいいとプロスペール兄上は教えてくれた。『貴婦人のペット』として重宝されるだろう、と。
あの男を拾ってあれこれしたのはプロスペール兄上だ。あの人の性格の悪さは一級品だ。僕は尊敬してるけどね。王太子と第二王子がなり変わられる危機感を持って第三王子であるプロスペール兄上を隣国の王配として追いやったんだけど……隣国の女王と兄上の組み合わせは最凶で最強だった。正直国力と知力の差でうちの国はほぼ属国となり果てている。
ヴィクトリアの事も兄上が悪い様にはしない、と言ってくれた。僕とのことがなくても子供の頃からトリアの事を可愛がってたからね、兄上。
『令嬢としてはポンコツだと思うよ、あの子。裏がなさすぎる。王族も向かないと思ってた。この国王太子と第二王子はくそだからね。だから私が国の外から、第四王子と第五王子、そしてシャルル。皆で国の状況をコントロールする。働かせるからな」
僕は王家の書類をまとめて保管する部署に回された。その部署で半年後程おとなしくしておいてその後その部署の統括になる事が決まっている。おとなしくしておいてその間に可も不可もない凡庸さを見せつけて部下に侮られるのが仕事、だったりする。
あの下男が来てからサラが夜を求めてくることはなくなった。これで僕の気も楽になった。とりあえず忙しいしあの下男にサラの相手をしてもらっておこう。
不穏な事の無いように庭番としてプロスペール兄上の部下が数人この家に入っているから駆け落ちとかはさせないけどね。
14
お気に入りに追加
150
あなたにおすすめの小説
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?
雨宮羽那
恋愛
元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。
◇◇◇◇
名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。
自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。
運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!
なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!?
◇◇◇◇
お気に入り登録、エールありがとうございます♡
※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。
※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。
※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
人質姫と忘れんぼ王子
雪野 結莉
恋愛
何故か、同じ親から生まれた姉妹のはずなのに、第二王女の私は冷遇され、第一王女のお姉様ばかりが可愛がられる。
やりたいことすらやらせてもらえず、諦めた人生を送っていたが、戦争に負けてお金の為に私は売られることとなった。
お姉様は悠々と今まで通りの生活を送るのに…。
初めて投稿します。
書きたいシーンがあり、そのために書き始めました。
初めての投稿のため、何度も改稿するかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
小説家になろう様にも掲載しております。
読んでくださった方が、表紙を作ってくださいました。
新○文庫風に作ったそうです。
気に入っています(╹◡╹)
【1/23取り下げ予定】あなたたちに捨てられた私はようやく幸せになれそうです
gacchi
恋愛
伯爵家の長女として生まれたアリアンヌは妹マーガレットが生まれたことで育児放棄され、伯父の公爵家の屋敷で暮らしていた。一緒に育った公爵令息リオネルと婚約の約束をしたが、父親にむりやり伯爵家に連れて帰られてしまう。しかも第二王子との婚約が決まったという。貴族令嬢として政略結婚を受け入れようと覚悟を決めるが、伯爵家にはアリアンヌの居場所はなく、婚約者の第二王子にもなぜか嫌われている。学園の二年目、婚約者や妹に虐げられながらも耐えていたが、ある日呼び出されて婚約破棄と伯爵家の籍から外されたことが告げられる。修道院に向かう前にリオ兄様にお別れするために公爵家を訪ねると…… 書籍化のため1/23に取り下げ予定です。
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
呪われ令嬢、王妃になる
八重
恋愛
「シェリー、お前とは婚約破棄させてもらう」
「はい、承知しました」
「いいのか……?」
「ええ、私の『呪い』のせいでしょう?」
シェリー・グローヴは自身の『呪い』のせいで、何度も婚約破棄される29歳の侯爵令嬢。
家族にも邪魔と虐げられる存在である彼女に、思わぬ婚約話が舞い込んできた。
「ジェラルド・ヴィンセント王から婚約の申し出が来た」
「──っ!?」
若き33歳の国王からの婚約の申し出に戸惑うシェリー。
だがそんな国王にも何やら思惑があるようで──
自身の『呪い』を気にせず溺愛してくる国王に、戸惑いつつも段々惹かれてそして、成長していくシェリーは、果たして『呪い』に打ち勝ち幸せを掴めるのか?
一方、今まで虐げてきた家族には次第に不幸が訪れるようになり……。
★この作品の特徴★
展開早めで進んでいきます。ざまぁの始まりは16話からの予定です。主人公であるシェリーとヒーローのジェラルドのラブラブや切ない恋の物語、あっと驚く、次が気になる!を目指して作品を書いています。
※小説家になろう先行公開中
※他サイトでも投稿しております(小説家になろうにて先行公開)
※アルファポリスにてホットランキングに載りました
※小説家になろう 日間異世界恋愛ランキングにのりました(初ランクイン2022.11.26)
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる