上 下
20 / 30
第2の人生 1年生編

19

しおりを挟む


 (どういう???)
 『ごめんね、あまり詳しい事を説明している暇はないんだ。だから、僕達の事はという違う世界の国の神だと思ってくれればいいよ。』
 (はぁ……ニホンってなんだ?この神様達が着ている服にも関係あるのか?)
 『さすがだね、この服は日本に代々伝わっている伝統的なもの、着物と言うんだ。』
 (キモノ?……やっぱり聞いたことないな……。)

 何故わざわざ重そうな服を着るんだろうか……。

 『まぁ、そこはあまり気にしないで、それより、僕達が君に伝えたいっていうのは、今から約一年後、転生者が来る事。』
 (………はい?)

 『ああ、やっぱりそうなるよね…まぁ、まだ彼は無事なんだけど、
 突然死んでしまう運命になってしまったんだ』
 (し、死ぬ!?なんで……)
 『それは、僕達にも分からない……彼は現在19歳、20歳の誕生日に殺されてしまう。
 正体が分からない介入者が邪魔をしているようでね、何故そうなってるのかまだ分からないんだ』
 (転生するっていうのは?神様達が転生させるのか?)
 『神は神でも転生させるのはそっちの世界の神だよ。』
 (??)

 もう頭が痛くなってきた

 『この事は僕達しか知らないんだけど、そっちの世界の神の一柱がどうやら彼を気に入っているようでね、僕達も彼は良い子だと思うし、このまま死んでしまうのは正直避けたいんだ。』
 (じゃあ、その神様に頼んで転生させてもらうのか……?)
 『いや、さっきも言った通りこの事は僕達しか知らないから、まぁ、そこら辺は僕達がどうにか仕組むから大丈夫!』

 その時の神様の笑顔はさっきと変わらないが、なんとなくそれ以上聞いてはいけない気がした………。(訳:怖かったです)

 (それで…僕にどうしろと……) 
 『君には、彼のサポートに回ってもらいたい。』
 (は?)
 『ごめんね?ただ、どうしても君じゃないとできないんだ。』

 絶対悪いと思ってない……

 『約一年後に不知火明永っていう人物がこの学園に入学するから、助けてあげて?
 あと、助けるために君には特別な力を与えるから。』

 そう言いながら、神様達の姿は段々薄れてきて……

 『よろしくね。』
 (あっ、まっ……)
 「て!!」

 ろくに文句も言えないまま、元の教室に戻っていた。

 (どういう事だ?力って?……特に体に異変はないけど…。)
 「とにかく、一回部屋に帰ろう……」

 その夜、色んな事を試して神様が言っていた力を確認しようと思ったが、何も得られなかった。
 そして、疲れていつの間にか寝てしまっていた。

 「………ここは。」

 (夢…?けど、やけに鮮明だな。)

 そこは無限に続いてるのではないかと見紛う程に果てない緑の大地だった。

 『ここは貴方あなたの夢の中である事に間違いありませんが、現実ですよ。』
 「!!!、貴方は…今日の……」

 後ろに居たのは今日の神と一緒にいた

 (確か……………そうだ、アマテラスオオミカミ?とかなんとか……。)
 『そうです、私は天照大御神、ここは箱庭です。』
 「箱庭?…あれ、そういえば声が…ここは神域ではないんですね。」
 『ええ、先程も言った通り、ここは貴方の夢の中ですが、それと同時に箱庭でもあります。』
 「これが、神が言っていた力の事ですか?」
 『はい、ここは今は何もないただ草が生えているだけの大地ですが、貴方の好きなように創る事ができます。』
 「?、つまり、建物を創ったりできるって事ですか?」
 『建物だけではありません、植物も動物も創る事ができます。ですが、人はできません。呼ぶ事はできますが。』
 「へぇ~、でもこの力を持っていてメリットはあるんですか?」

 そこが一番重要なところだ。自分にメリットがないなら転生者の手助けだってする意味はないし、神様の言う事を聞く必要もない。

 『もちろん、ここは
 「?、どういう事ですか?」
 『そのままの意味です。ここに来れば体の傷や心の傷を癒やしてくれます。そして、貴方や貴方がここに呼んだ人に敵意を持っている人は絶対に入る事はできません。』
 「敵意がなかったら誰でも入れるんですか?」
 『いいえ、貴方よりも強者である必要があります』
 「………もしかして、僕にしかできないって……。」
『そう言うことです。貴方はこの学園でもトップクラスの強さを持っています。』
 「でも、僕よりも強い奴はたくさんいますよ。」
 『知ってますよ。』
 (否定しないのは何気に傷つくなぁ……。)
 『しかし、他の者達は信頼にあたいしません、貴方はさかしさもあります。』

 これは、褒めてる……?

 (まぁ、いいけど、傷を癒やすっていうのは中々利点だな。)
 『それでは、そろそろ私は帰ります。』
 「………そうですか、お元気で。」
 『それは貴方にそっくりそのまま返しましょう。』

 そう言い残し、神様は消えた。

 「……………朝……。」

 (まぁ、とにかく、転生者に手助けしなきゃなぁ…。)
















 ~現在~


 「という訳!」
 (なげぇよ!)
 「てか、随分不満そうでしたよね?なんでそんな楽しそうなんですか?」
 「あぁ、僕も最初は面倒で面倒で仕方なかったんだけど、君を見たとき思いのほか面白そうで、良いおもちゃ…………良い遊び相手になってくれそうだったから!」
 「今玩具おもちゃって言いましたよね?」
 「言ってないよ。」

 笑顔で言っているが黒い……。

 「まぁいいですけど。」

 (というか仕組むって……サクリアもオロフェスも、まんまと騙させたって訳か……。)

 この世界に転生させるのもよんでたのか……神様恐るべし……。























******

 3作目を公開しました!!!

 『お仕事(声優)に行ったら捕まりました』というものです。

 是非覗いてってください!!!

 いつも読んでいただきありがとうございます。
 ( ꈍᴗꈍ)













しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

攻略対象者やメインキャラクター達がモブの僕に構うせいでゲーム主人公(ユーザー)達から目の敵にされています。

BL
───…ログインしました。 無機質な音声と共に目を開けると、未知なる世界… 否、何度も見たことがある乙女ゲームの世界にいた。 そもそも何故こうなったのか…。経緯は人工頭脳とそのテクノロジー技術を使った仮想現実アトラクション体感型MMORPGのV Rゲームを開発し、ユーザーに提供していたのだけど、ある日バグが起きる───。それも、ウィルスに侵されバグが起きた人工頭脳により、ゲームのユーザーが現実世界に戻れなくなった。否、人質となってしまい、会社の命運と彼らの解放を掛けてゲームを作りストーリーと設定、筋書きを熟知している僕が中からバグを見つけ対応することになったけど… ゲームさながら主人公を楽しんでもらってるユーザーたちに変に見つかって騒がれるのも面倒だからと、ゲーム案内人を使って、モブの配役に着いたはずが・・・ 『これはなかなか… 面白い方ですね。正直、悪魔が勇者とか神子とか聖女とかを狙うだなんてベタすぎてつまらないと思っていましたが、案外、貴方のほうが楽しめそうですね』 「は…!?いや、待って待って!!僕、モブだからッッそれ、主人公とかヒロインの役目!!」 本来、主人公や聖女、ヒロインを襲撃するはずの上級悪魔が… なぜに、モブの僕に構う!?そこは絡まないでくださいっっ!! 『……また、お一人なんですか?』 なぜ、人間族を毛嫌いしているエルフ族の先代魔王様と会うんですかね…!? 『ハァ、子供が… 無茶をしないでください』 なぜ、隠しキャラのあなたが目の前にいるんですか!!!っていうか、こう見えて既に成人してるんですがッ! 「…ちょっと待って!!なんか、おかしい!主人公たちはあっっち!!!僕、モブなんで…!!」 ただでさえ、コミュ症で人と関わりたくないのに、バグを見つけてサクッと直す否、倒したら終わりだと思ってたのに… 自分でも気づかないうちにメインキャラクターたちに囲われ、ユーザー否、主人公たちからは睨まれ… 「僕、モブなんだけど」 ん゙ん゙ッ!?……あれ?もしかして、バレてる!?待って待って!!!ちょっ、と…待ってッ!?僕、モブ!!主人公あっち!!! ───だけど、これはまだ… ほんの序の口に過ぎなかった。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

目覚めたそこはBLゲームの中だった。

BL
ーーパッパー!! キキーッ! …ドンッ!! 鳴り響くトラックのクラクションと闇夜を一点だけ照らすヘッドライト‥ 身体が曲線を描いて宙に浮く… 全ての景色がスローモーションで… 全身を襲う痛みと共に訪れた闇は変に心地よくて、目を開けたらそこは――‥ 『ぇ゙ッ・・・ ここ、どこ!?』 異世界だった。 否、 腐女子だった姉ちゃんが愛用していた『ファンタジア王国と精霊の愛し子』とかいう… なんとも最悪なことに乙女ゲームは乙女ゲームでも… BLゲームの世界だった。

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。 ▼毎日18時投稿予定

主人公の兄になったなんて知らない

さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を レインは知らない自分が神に愛されている事を 表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346

[完結]ひきこもり執事のオンオフスイッチ!あ、今それ押さないでくださいね!

小葉石
BL
   有能でも少しおバカなシェインは自分の城(ひきこもり先)をゲットするべく今日も全力で頑張ります!  応募した執事面接に即合格。  雇い主はこの国の第3王子ガラット。 人嫌いの曰く付き、長く続いた使用人もいないと言うが、今、目の前の主はニッコニコ。  あれ?聞いていたのと違わない?色々と違わない?  しかし!どんな主人であろうとも、シェインの望みを叶えるために、完璧な執事をこなして見せます!  勿論オフはキッチリいただきますね。あ、その際は絶対に呼ばないでください! *第9回BL小説大賞にエントリーしてみました。  

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

処理中です...