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15話 雷鳴 vs ダスト1
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B地区河川敷
辺りにはいつも以上に排気音がけたたましく鳴っている
雷鳴は病院を出てからチーム全員に緊急招集をかけていた
おっ、トップのお出ましだぜ!!!
2番手のダストが声高らかに言う
遅くなったな…
豪ちゃんよお、せっかくの日曜日なのにいきなり呼びつけるなんて勘弁してほしいぜ!
せっかく今からイイトコに行く予定だったのによお!
それに…集会以外でのメンバー全員集合なんて穏やかじゃねえなあ!
ああ悪いなダスト、それよりひとつお前に聞きたいことがあってな
そういうと持っていたコインをダストに投げる
おおっと、こりゃ俺のコインじゃねえか!!
どっかに落としちまったかと思ってはいたが…まさか豪ちゃんが拾っていたとはねえ、たまには気が利くじゃねえか
そうか、やはりそれはお前のか…
このコインはな、妹が持っていたんだ
ふうん、それで?
お前らにも言っておく、妹は今日何者かによって階段から突き飛ばされて重症を負い病院で治療を受けている!!
突然のことにざわつくメンバーたち
その妹の手にはな、何故だかお前のそのコインが握られていたんだ
ああ、妹ちゃんがたまたま拾ったのか
(チッ…あの時に落としてたのか…死角から突き飛ばしたから姿は見られなかったはずだがとんだ凡ミスをしちまったな)
まだしらばっくれるか…
まあこの半年、俺に悟られることなく妹を虐げていたくらいだからそれくらい容易いというわけか
他人の妹の身体をズタボロにしやがって…!!!
(アイツ!!傷のことを喋ったのか…そうか、さすがに病院であの傷のことは隠すことはできねえか、ならもう誤魔化す必要もねえ)
ああそうだよ!!
お前のチームに入ったあの時から俺は、裏でお前の妹をストレス発散の道具にしてたんだぜえ!!
お前のチームを乗っ取るためにボスからの指令とはいえ、生意気なクソガキの下につくなんて俺のプライドはかなーり傷ついたもんだ!
だけどよ、いざチームに入ればその陰に隠れて丁度いいのがいるじゃねえか!!
俺はとある日、たまたま豪ちゃんが席を外したタイミングに妹ちゃんが姿を現して二人だけの時間が訪れた時にチャンスだと思ったぜ!
自己紹介がてらチームの中でも上のポジションに就いたことと脅迫まがいな言葉を絡ませた勢いで妹ちゃんに恐怖を植え付けた
最愛の兄にも口を割れないくらいの恐怖をな!
そんで妹ちゃんはチームに入ってはいないが月に一度の集会には必ず姿を見せる
本人は兄の行動がエスカレートしないように見張ってるつもりだと言っていたが俺からしたら好都合だった
集会後、豪ちゃんは必ずチームメンバーひとりひとりの話を聞いているよな?それもしっかりと時間をかけて
その隙に俺は見張りとして何人か引き込み、日々のストレスを発散してたってわけさハハハッ!!!
集会の度にやられていたのか…
クソッ、やはり妹は連れてくるべきじゃなかった!!!
まあそろそろ暴力で発散するのも飽きてきたから、ここらで一発ヤってやろうかと思ってたけどよお、あんな傷だらけの身体じゃあ全然そそられねえぜアッハッハ!!!
…だけ…か
あん?どうした豪ちゃんよお、妹の悲惨さに声もビビって出なくなったってかあ!!!
言い残す言葉はそれだけか!!!
と言っているんだ!!!
なにブチ切れちゃってんの?
このチームじゃトップみたいだけどよお、ハッキリ言ってお前…弱いぜ?
俺の所属するスピードスター軍団から見たらよお、豪ちゃんレベルのガキなんか下の下!!下っ端なんだからよお?
俺とやり合おうだなんて考えない方がいいぜえ
そもそもこのチームに入ったのも水面下で俺の派閥を広げて寝返らせて、最後にトップの豪ちゃんを完膚なきまで叩きのめして乗っ取るってのが本来のシナリオだったんだからよお!!
まあそれが今日に早まったってことだ
お前ら!!わかってるよな?本当に力があるやつは誰なのか、その身体に叩き込まれた奴らならよお!!
う、うおおおおーーー!!!
やっぱダストさんじゃ説得力が段違いだぜー!
ハリボテなんかぶっ飛ばしてやれー!!
ダストの声かけによりチームのほとんどが賛同の声を上げている
ハハッ…「大人ってやつは俺たちが思ってる以上に計画的で狡猾な人間が多い」どこかの誰かが言っていたセリフをそのまんま体現してるってことか…
参ったな…せっかくこれからって時に、もう主導権が変わっちまってるじゃねえか…
弱いな、弱すぎるぜ豪ちゃん
所詮は高校生レベルの考え、何年も前にその道を通り経験してきた俺には敵わねえのさ!!
クッ…だがこれは俺のケジメをつける唯一の機会
、たとえ一人だろうと構わねえ…お前たちには負けない!!!
ふん、じゃあ好き勝手やらせてもらうぜ!!
お前ら!派手に暴れな!!!
うおおおおおーーー!!!!!
チーム総勢30名&ダスト vs 雷鳴豪
来いよ…全員ぶっ飛ばしてやらあ!!!
前から気に入らなかったんだ!!
やっとアイツに一泡ふかせられるぜ…グフッ
おい何やってんだ、せっかく雷鳴に反攻できるってのに…ゴフッ
しかし突如雷鳴に向かって行ったメンバーの何人かが殴られその場で気絶していた
なんだなんだあ?まだ豪ちゃんに魅せられてるやつらでもいるのかあ??
ああ、その通りッスよ!!
俺らは豪雷のアニキを信じてここにいるんスから!!
豪さん!!あなたは一人じゃない!!
あなたの言葉が行動が、しっかりと届いてる奴らもここにいます!!!
よく見ると数人のメンバーが、雷鳴に突撃しようとする他のメンバーたちを止めていた
お、お前たち…
オイオイ邪魔な奴らだなああ…アイツらも始末しろ!!!
多少の戦力が加わったことにより雷鳴側にも僅かに分があるがまだまだその差は大きい
戦いはひたすら消耗戦のため時間が経つにつれて不利になるのは目に見えていた
くらええ豪!!!
ッ、てめえもアイツに負けてんのかよ!!オラッ!!
相手のパンチをかわしカウンターを決める雷鳴
グッ…ダストさんには…勝てねえんだよ、力の差がデカすぎる…バタッ
ひとり、またひとりと拳を交えていく
その戦いの中、ダストの圧倒的な暴力に縮み上がっていたメンバーがほとんどであることも知った
(これがダストのやり方か…反吐が出る)
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