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7話 紳士マンと交錯する運命
しおりを挟む最近妙な夢を見るんだ
そう、それはまるで紳士マンのこれまでの活動を見せられているかのような
とはいっても、夢とは記憶の整理というくらいだ
辻褄の合わない内容になっていても何もおかしくはない
だが何かがおかしいのだ
しかしあくまで感覚的なこと…
うまく説明しようにも「それは夢だから」で済まされてしまうことも容易に想像できてしまう。。
紳士マン…
ん?
紳士マン
誰だ?
紳士マン…
誰だ、誰が私を呼んでいる?
暗い…またこれは夢の中なのか?
紳士マン、これはどうやって作ったの?
これは自然にあるものだけで作ったとてもエコな物さ!
紳士マン、今日もお仕事頑張ってね!
ああ、君も頑張って学校に行くんだぞ!
(そうだ、このような断片的な夢をよく見るんだ)
痛い…痛いよ紳士マン🥺
うるさいうるさい!!!
紳士マンこれは一体…あなたがやったの??
こうするしか…なかったのだ…求められてしまった以上、私は私の中の紳士的振る舞いには逆らえない!!
(だが時折見るこのような夢…過去の出来事が夢に現れるのはともかく、こういった悲劇的なことは夢でも縁起が悪いから見たくはないな…それに何度も何度も同じ内容というのも気になる…)
「「これは夢ではありません」」
!?!?…誰だ!!
「「ここは間違いなくあなたの中に眠る記憶たちが入り乱れています…今聞こえていたのは全てあなたが実際に体験した記憶の欠片たち…」」
確かに過去の出来事もあった、だがほとんどは全く身に覚えのないことばかりだったぞ…!!
「「それは当然のこと、何故ならあなたは一度命を落としかけている…いや、落としたと言った方が正しいでしょう
紳士マンとして生きていましたが、正義の形がねじ曲がり反感を買った人達に襲われて命を落としました」」
バ、バカな…そんな漫画みたいなこと…
で、では今生きている私は一体どう説明するというのだ!!
「「そんな正義に溺れたあなたにも、唯一最後まで信じてくれていた人がいました…その方はあなたの最期を知った時、自分の命を引き換えにあなたにもう一度人生をやり直してほしいと訴えかけるほど運命に抗おうとしていました
そこまでして相手を思うその方の気持ちをくみ取ったこと、そうまでさせるあなたという人間性に興味がわいた私たちは希望通り紳士マンという男にもう一度、その生き様を晒してもらおうという結論になったので生き返らせました
ただしそのまま生き返らせると様々な矛盾や弊害が生じることもあることから、紳士マンの正義がまだ穏やかな数年前まで時を遡ることにしました
しかし一度起こしたことは十字架として背負わせるのが私たちのポリシー
関わった人間のことは特定できないようにしていますが、こうやって夢の中で出来事を見せることで自らの過ちを二度と忘れないようにしているのです」」
クッ…にわかに信じがたいことだな
だが何故このタイミングで打ち明けたのだ?
ずっと見ていたのならもっと早い段階で教えてくれれば…今以上に私自身の立ち振る舞いに気をつけることができたというのに
…
「「少し話しすぎましたね…
しかし紳士マン、あなたは自分が思っている以上にその背中には重い十字架を背負っています
繰り返し見るその夢はその業のカケラであることを決して忘れずに…」」
ま、待ってくれ!!
そんなに一度に言われても頭が混乱してしまう!!
それにまだ聞きたいことが山ほどあるんだ!!
あなたはこれまでと変わらずに自分の正義を信じて生きていけばいいのです
そうすればおのずと運命に導かれていくでしょう
…
ハッ…ここは
自宅のベッドから起き上がる紳士マン
いつにも増してリアルな夢だった…
というよりはこれまでの謎が少し解明されそうだっただけにもう一歩進めなかったもどかしさが辛いな。。
それにしても私の過去とは…
これまで見ていた夢の中でいう「悪い夢」が自らの過去の業を指しているのだとしたら…
信じたくはないが取り返しのつかないことをしてしまっている…
それに時々脳裏に響く謎の声もそれらを指している可能性が高い…
これからは些細な出来事にも慎重にならなければ…
特に自分の正義が試される時こそ慎重に…
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