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PHASE5ー欠落ー
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しおりを挟む翔と別れてからその足で香織のもとへ向かう由奈
わかっていたとはいえ踏み込み過ぎたことが脳裏によぎっているので緊張した面持ちとなっている
「香織様、お疲れ様です」
「お疲れ様、あら?顔が強張っているだけど何かあったのかしら?」
それに二人きりの時はお母さんって呼んでちょうだい」
「はい、お母様」
(3年経ったとはいえ対面で話すのは数えるくらいしかなかったからまだ距離があるわね…)
「まあいいわ疲れたでしょ、座って
早速で悪いけど翔の近況報告を聞かせてちょうだい」
「はい、舞台に向けての取り組みは特に問題なさそうです
例の仕事についてはブッキングすることもなかったので無事に引き受けられました」
「そう、順調そうなら心配ないわね
仕事のこともあの子が快く受けてくれて良かったわ
ただ打ち合わせの時に一悶着した場面があったそうね
その緊張した顔はそういうことかしら?」
「翔さんからですか…申し訳ありません、香織様の命で必ずこの仕事を引き受けるようにと言うことでしたので焦ってしまったのが正直なところです」
「私の依頼だから気負いするのもわかるけど、感情が飛び出すことはあまり好ましくないのよね
あなたもマネージャー経験がそれなりにあるからご存知だと思うけど、理不尽なことってこの先いくらでも降りかかってくるの
その度に感情的になって声を荒げてしまったらいいお仕事を掴み損なってしまう原因にもなるから常に冷静さと平然さを忘れずにね」
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