140 / 142
PHASE5ー欠落ー
128
しおりを挟む「そういえば、もしかしたら舞台俳優に興味のある人ならあの男に聞いてみるのもありだな」
「ん?なになにオギちゃん、誰かあてでもあるの?」
「まあな5年ほど前に知り合った医者なんだがワシが入院していた時にした手術で執刀してくれた男でな」
「盲腸だったかしら?その人に切ってもらったのね」
「うむ、それで経過観察の時によく顔を出してきてくれたから色々話をしたんだよ
あの時の彼は当時思春期真っ盛りの中学生の双子に手を焼いている様子だったかな」
「それで?どうしてその人は舞台俳優に興味があるかもって思ったの?」
「とある日にリハビリがてら病院内を歩いていた時に見た光景が印象的でね
彼が学生らしき患者のリハビリに付き合っていてその時の彼の眼差しがとても優しくて患者のことを家族のような目で見ていたんだよ
その後一人になったところで声をかけてさっきの様子のことについて問いかけたんだが、そうしたら彼は少し照れながらこう言ったのさ
『若者の努力している姿は何事にも変えられない美しさ』ってね、だから舞台で活躍している若者にも興味があるかもしれないってこと」
「案外ママと同じ男好きなのかもねー」
「話を聞く限りはまともそうな人ね、オギちゃん…もし良かったらその人一度ここに連れてきてくれないかしら?
連れてくるのが難しかったら私から会いに行くわ」
「おやおや随分積極的だねママ、まあ彼のことだからワークライフバランスは割と取れている方だと思うからタイミングさえ合えばって感じかな
数日後に仕事の兼ね合いで彼と会うからその時にでも聞いてみるよ」
「ありがとう!恩に着るわ!あら?でも仕事ってオギちゃんって不動産業じゃなかった?お医者さんの彼と仕事の接点が全く結びつかないんだけど」
「そこは個人情報だから言えないけど、ママの言ってることはごもっともだしつまりそういうこと!
それじゃあ何か進展があればすぐママに連絡するから」
「よろしくねー!いい返事もらえたら一杯奢らせてね」
「その時はママの秘蔵酒の中から選ばせてもらおうかな!」
2
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる