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PHASE5ー欠落ー
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しおりを挟む「そういえば、もしかしたら舞台俳優に興味のある人ならあの男に聞いてみるのもありだな」
「ん?なになにオギちゃん、誰かあてでもあるの?」
「まあな5年ほど前に知り合った医者なんだがワシが入院していた時にした手術で執刀してくれた男でな」
「盲腸だったかしら?その人に切ってもらったのね」
「うむ、それで経過観察の時によく顔を出してきてくれたから色々話をしたんだよ
あの時の彼は当時思春期真っ盛りの中学生の双子に手を焼いている様子だったかな」
「それで?どうしてその人は舞台俳優に興味があるかもって思ったの?」
「とある日にリハビリがてら病院内を歩いていた時に見た光景が印象的でね
彼が学生らしき患者のリハビリに付き合っていてその時の彼の眼差しがとても優しくて患者のことを家族のような目で見ていたんだよ
その後一人になったところで声をかけてさっきの様子のことについて問いかけたんだが、そうしたら彼は少し照れながらこう言ったのさ
『若者の努力している姿は何事にも変えられない美しさ』ってね、だから舞台で活躍している若者にも興味があるかもしれないってこと」
「案外ママと同じ男好きなのかもねー」
「話を聞く限りはまともそうな人ね、オギちゃん…もし良かったらその人一度ここに連れてきてくれないかしら?
連れてくるのが難しかったら私から会いに行くわ」
「おやおや随分積極的だねママ、まあ彼のことだからワークライフバランスは割と取れている方だと思うからタイミングさえ合えばって感じかな
数日後に仕事の兼ね合いで彼と会うからその時にでも聞いてみるよ」
「ありがとう!恩に着るわ!あら?でも仕事ってオギちゃんって不動産業じゃなかった?お医者さんの彼と仕事の接点が全く結びつかないんだけど」
「そこは個人情報だから言えないけど、ママの言ってることはごもっともだしつまりそういうこと!
それじゃあ何か進展があればすぐママに連絡するから」
「よろしくねー!いい返事もらえたら一杯奢らせてね」
「その時はママの秘蔵酒の中から選ばせてもらおうかな!」
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