交錯する群像劇

妖狐🦊🐯

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PHASE5ー欠落ー

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「湊様、お迎えにあがりました」


「おわっ!青木さん…今日は一人で帰るから迎えはいいって言ったのに…」


「そういうわけにはいきません、マネージャーとしてお就きさせていただいているのに湊様に何かがあったらお母様に示しがつきませんので」


青木由奈、翔の母親である香織が採用した翔の専属マネージャーである
フリーで活動していた翔は営業からスケジュール管理、あらゆる交渉を一人でこなしていたが集中力を仕事に全て注いでほしいと思っている香織は3年前の舞台を終えたタイミングで彼女をあてがった

専門学校を経て二十歳からこの仕事を始めた由奈は兼任マネージャーとして複数人の管理をしていたので、専属になることはむしろ一人に集中できるという意味では本人もメリットを感じている

もちろん一番大きいのは給与面とあの湊晴彦と湊香織の息子のマネージャーになれるということ
芸能界と音楽界それぞれの分野で名を馳せている両親の息子というだけで売れない芸能人を何人も抱え込むより圧倒的に安定感と未来があると感じ応募したのだった


(この方が翔さんのマネージャー…)


「初めまして、湊翔のマネージャーの青木由奈と申します
大空大河さんですね、うちの湊がお世話になっています」


「あ、ご丁寧にどうも!むしろこちらこそ日々勉強させてもらっています!」


軽く挨拶を交わして翔の元へ近づく由奈


「ちょっとお仕事のことで伝えたいことがありますので1時間ほどお時間下さい」


「えっ!今から急に!?明日でも良くないか?」


「仕事をふってくれた先方のことを考えたら少しでも早い返事の方が好印象ですよ!いつもの会員制のバーを取ってありますから今から行きますよ」


「翔さんも忙しいですね…!邪魔しても悪いので僕はお先に失礼します!!」


いつの間にか着替え終えた大河はすぐに来たタクシーに乗ってその場を去る


「ハァ…わかったよ、もう一回シャワー浴びたいから車で待っててください!」


不貞腐れながらもそそくさとシャワールームへ向かう翔


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