120 / 145
PHASE5ー欠落ー
108
しおりを挟む「本番まであと2週間だ、茂森監督も仰っていたように今日からは事前に言われていた3人1組のグループで稽古をするように」
「「はい!!!」」
とある稽古場で全員が集まる中その号令とともに皆今日の稽古を始めていた
「よろしくー!」
それまでは個々の稽古が多かったがグループで稽古をすることによって多面的に自分の演技を見られるため演技指導だけではない観点からも発見がある
「皆藤紬(かいどうつむぎ)二十歳です!
大河さんと同じ舞台に参加できてとても嬉しいです!!
今日からはペアの1人としてよろしくお願いします!」
「あ、ああ…ありがとう!一緒に頑張ろうね!」
「おっ!大河も随分売れっ子になったじゃないか!」
「翔さん、からかわないでくださいよお!
僕なんてまだまだですって!」
「いやいや!若手の中ではナンバーワンっていうくらいの人気と言ってもおかしくないって!
この前だってデカい舞台の主演だったし、今回だってシゲさんの中では最大規模の舞台だぞ!
その主演なんだからめちゃくちゃすごいって!」
「それで言ったら翔さんだって今放送中の人気ドラマの主演じゃないですか!
メインは舞台俳優と言っておきながらしっかり地上波のドラマでも主演だなんて反則ですよー!!」
3年前にシゲさんの舞台で共演した翔と大河
あの舞台での活躍を機にお互いにそれぞれ仕事のオファーがくるようになり経験を積んでいく中で徐々に頭角を表していった
大河は事務所の力があるとはいえ人一倍努力家ということもあり、舞台での演技でも光り輝いているその姿から若き実力派として確実なポジションを固めつつある
一方、翔もシゲさんの舞台を機に湊晴彦の息子が業界に復帰したことが業界に広まったことで始めこそ舞台の仕事が舞い込んでいたが、ここ1年で表での仕事も舞い込むようになりついに連続ドラマの主演に抜擢されるまでのポジションとなった
「まあまあ、お互いに成長したってことで!
紬もよろしく!去年の舞台ぶりだな!」
「湊さん、ご無沙汰しています!
今回もビシバシご指導お願いします!」
「えっ、翔ってそんなスパルタ教育だったの?
自分にストイックな人はやっぱ他人にも厳しいんだ。。」
「ストップストップ!!そんなことないって!!いやびっくりした、紬がそんな冗談を言うタイプだなんて…」
「えへっ、私はいつも正直だよ?」
「翔、僕は驚かないから…うん、頑張ろ!!」
「ふ、不服だ…!!」
3
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
告白ゲーム
茉莉花 香乃
BL
自転車にまたがり校門を抜け帰路に着く。最初の交差点で止まった時、教室の自分の机にぶら下がる空の弁当箱のイメージが頭に浮かぶ。「やばい。明日、弁当作ってもらえない」自転車を反転して、もう一度教室をめざす。教室の中には五人の男子がいた。入り辛い。扉の前で中を窺っていると、何やら悪巧みをしているのを聞いてしまった
他サイトにも公開しています
振られた腹いせに別の男と付き合ったらそいつに本気になってしまった話
雨宮里玖
BL
「好きな人が出来たから別れたい」と恋人の翔に突然言われてしまった諒平。
諒平は別れたくないと引き止めようとするが翔は諒平に最初で最後のキスをした後、去ってしまった。
実は翔には諒平に隠している事実があり——。
諒平(20)攻め。大学生。
翔(20) 受け。大学生。
慶介(21)翔と同じサークルの友人。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる