交錯する群像劇

妖狐🦊🐯

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PHASE5ー欠落ー

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「香織様!こんなところにいましたか、探しましたよ」


息を荒げて話しかけるのは香織のマネージャー


「お出かけされるならひと言申していただければ良かったものを…一人で出歩かれたら何かあった時にすぐ対処できないですよ」


「あらあら~実際何もなかったじゃない?
私も常に誰かと行動していたら息が詰まってモチベーションが落ちちゃうのよ~だからたまには一人でのびのびと行動するのも許してほしいわね~」


「お気持ちはわかりますが自分の知名度を考えていただけると…今回はたまたま何もありませんでしたが度々見つかっては周囲がパニックになっていますので…」


「はいは~い、気をつけますよ~」







 「ハァ…もうなんなのよあの女!突然来たと思ったらあんな嫌味ったらしいこと言って!!
ほんっと相変わらず性格悪いんだから!!」


嵐のように去って行った香織に文句を垂れる豪
気分を変えようとおもむろにテレビを付ける


「でも、あの娘生きていたのね…しかもマネージャーなんて立派な仕事に就いて…」


何気なく流しているバラエティ番組を見ながら先ほどの会話を頭の中で考えている


「あら、あの俳優って…」


番組に出演している俳優二人に注目する豪
バラエティに出演している俳優はおおかた自分達の出演しているドラマや映画の宣伝のためだがよく見るとその内の一人は見覚えのある顔だった


「間違いないわ…あの女の息子、湊翔…舞台だけじゃなくて表舞台でも活躍してるのね
それにしても顔だけは本当にいいのがムカつくわ…私好みな感じなのも相まって」


愚痴を言いながらもその番組が見終わるまで釘付けになっていた


「ハァ…まさかこの子のマネージャーになるなんてね、来月に舞台…少し考えてみようかしら…」


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