103 / 133
PHASE4ー偶然と言う名の…ー
93
しおりを挟む「この辺りまできたら大丈夫だろう…ん?あれは…」
ふと羽毛田の目に映ったのは茂みの隙間から光る建物
ぱっと見は美術館のような雰囲気を醸し出しているがよく見ると男女がいちゃつきながら入っていく様子が見えた
「なるほど…あれは上手くカモフラージュしたラブホか
まてよ…せっかくならあそこでたっぷりと楽しむか
よくよく見るとコイツ思ったより俺好みの見た目と体型だからこんな暗い茂みでするのは何も見えなくて勿体ねえからな…
そうと決まればオイ!!黙ってついて来い!!
少しでも声をあげたり何かしようとしたらさっきより酷いことになるぞ…わかってるな…」
(ガタガタ)
すっかり恐怖で支配されている彼女は震えながら無言で頷き羽毛田と共に向かう
数十メートル歩くとすぐに建物の近くまでついた
羽毛田は周りを見渡して他に人がいないことを確認すると彼女の手を引いてそこから駆け足で建物の中に入ろうとする
「なんだこれ…」
勢い虚しくすぐに入口で立ち往生してしまったわけは、扉に設置されていた指紋認証だった
遠目で見たときには気付かなかったが目の前に来たことでそれを発見した
特定の人しか入ることのできない会員制のホテルということもあって外観はらしからぬ風貌になっていたということだった
「クソッ!!せっかくきたのにこれじゃ無駄足かよ!!
それなら最初から茂みでよかったじゃねえかクソッ!」
扉の前でそうキレている時に突然扉が開かれて目の前に二人組の男が現れる
「やべっ!!」
咄嗟に首に突きつけていたモノをポケットにしまって平然を装う羽毛田
ホテルから出てきた男はすれ違いざまに羽毛田をチラッと見てそのまま去っていく
「顔見られちまった…まあただのカップルにしか思われないだろう、それに扉が間から中に入るチャンスだ!!」
このタイミングはラッキーだと思いそのまま歩み始めようとする羽毛田
「君、ここは会員制だから指紋認証と生体認証をしないと中のセキュリティに通報されるよ」
「ウッ…通報??」
「そう、ここは誰しもが入れる場所じゃないのだよ
よ
まあ簡単に言えば金持ちたち専用の憩いの場かな
だから君には申し訳ないんだけどここに入ることはできないんだ」
「そ、そそそうなんですね!!ご、ご忠告ありがとうございます!!では…」
「んんちょっと待って、君の彼女さんさっきから酷く怯えいるようだけど…本当に君の彼女かな?」
6
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
振られた腹いせに別の男と付き合ったらそいつに本気になってしまった話
雨宮里玖
BL
「好きな人が出来たから別れたい」と恋人の翔に突然言われてしまった諒平。
諒平は別れたくないと引き止めようとするが翔は諒平に最初で最後のキスをした後、去ってしまった。
実は翔には諒平に隠している事実があり——。
諒平(20)攻め。大学生。
翔(20) 受け。大学生。
慶介(21)翔と同じサークルの友人。
【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる