交錯する群像劇

妖狐🦊🐯

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PHASE4ー偶然と言う名の…ー

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ーーーーー


「これが現実なのか…って思いたくないけど、葵が見た人間が本当に羽毛田ならそれは真実ってことだよな…

ところで…事件直後はデリケートな雰囲気もあったからその話題に触れないでいたんだけど、せっかくだからこれを機に当時のことを話してくれないか?」


色んな話は耳にしていたがそれでも第三者という立場だったため、より事の詳細を知りたいという気持ちが強まった勇二


「まあもう過ぎたことだからいいか…」


そう言って二人は事件の一部始終を語り始めた










「うーー!!」


耳障りな音の中、一人液晶画面を見つめながらしかめっ面で唸っている羽毛田

左手は台の上に溜まっている銀色の玉をジャラジャラと無作為に触り右手は球状の物をわしづかみで固定して盤面に一発ずつ転がっている銀玉の行方を追う

そして穴に入ることで液晶の中が動きだして無駄に大きな音でその結果を知らせる


「ああクソッ!!今のは当たる流れだろ!!」


怒りを目の前の台にぶつけながら空になった皿に新たな玉を出そうとするが


「クソッ!!また追加投資かよ!全く当たらねえ!!」


イライラながら財布の中をあけるがそこには一枚の希望が残っているだけ


「これが最後の1000円…これがダメだったら2週間もやし生活…家賃はまだ滞納できるだろう…いやできる!俺ならここから大逆転できる!!そうだ、だから金の心配なんていらないんだ!!」


そう言って自分に暗示をかけて1000円を吸い込ませる






「だあああ畜生!!!マジでねえわあの店!!ぜつてえ裏で操作してるに違いねえ!!!」


すっかり暗くなった道を一人叫びながら歩く羽毛田
周りの人間は絶対に関わらないようにと無意識に彼の近くを避けている


「ああむしゃくしゃする!!こんな時に操り人形がいれば全部解消すんのによお!!」


操り人形とは羽毛田が教員時代にあの手この手で弱みを握っていた生徒たちのことである


「アレさえあればこんなイラつきも全部ぶちまけてストレス解消になるのによお!!!

ああそうだ、どうせこんな状態だ…失うものなんて何もないんだからまたやればいいじゃねえか!!
この先は人気が少ない所だからそこでちょうどいい獲物でも待ち伏せるか…」


自暴自棄になった羽毛田は人気の少ない場所まで歩くと茂みに隠れて様子を伺っていた


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