交錯する群像劇

妖狐🦊🐯

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PHASE4ー偶然と言う名の…ー

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「俺がここにきた時から30年以上経ってるから警備は厳しくなってるもんだと思ったが…
すんなり入れているのはまだ一度もこのシステムに不備がないということか?
こんな昔一度訪れた人間がのうのうと入れる割には大したもんだな!!!」


何食わぬ顔で院内に入ったことで本人は全く何も気付いていないが無数にあるカメラは患者でもない羽毛田が無意味にあちこちをウロウロしている不審さに反応して不審者として完全にマークしていた


「こっちは産婦人科か、そういえば前に来た時は当時人気になり始めたあの女優がここにいたっけな
あの頃の俺は無知だから親に「ねえねえ!あの人お腹が大きい!!」って大声で言った時の親とその本人の顔が忘れられなかったなあ…後でめちゃくちゃ叱られたけど」


そんな病院での思い出を振り返りながら暫く院内を散策していた羽毛田だがひと通り見終えてエントランスに戻ると妙な感覚に気付く
それもただの異変ではなく自分に対して注意を向けられているような、まるで誰かに見張られているような感覚になりその場で足を止める


「な、なんだこの雰囲気…誰もいないのに誰がが監視してる…
まるで俺が悪者みたいな…やめろ!!隠れてないで姿を見せろ!!」


羽毛田のその問いに応えるように円柱型のロボットが一台姿を見せて近づき何かを言っている


「セイタイニンショウ…トウインノデータベースニアリ
ミウケツケ、モンシンヲシマス、ホンジツハドノヨウナヨウケンデスカ?」


「うっ…し、塩谷先生に会いにきたんだ!病気の事で相談をしたい!!」


「シオヤ…シオヤナオトハ、ホンジツAMチュウハオペノヨテイガハイッテイマス
マタ、PMハキタクノヨテイナノデ、アポイントハゴジツニオネガイイタシマス」


「クソッ!今はオペ中で接触できないのか!!といっても後1時間もあれば帰宅か、それなら仕事を終えるまで待つか…」


「ピピッ、サキホドカラアナタノコウドウニフシンナテンガアリマス、ショウショウオハナシヲキカセテモラエマスカ?」


「はあっ?俺はただ病院内をひと通り見て回っていただけだぞ!!
そんなことで不審者にされてたまるか!!」


「オハナシヲ…」


それ以降ロボットはこの一言しか発さなくなりその場から動くこともなくなったが、羽毛田の動きに合わせてロボットも移動をして目の前に立ちはだかり逃げられない状況となった


「このやろう、無視しても前に回り込んできて逃げられねえ!!しかもこの音…少しずつデカくなってやがる…あまり時間が経つと強制的に敷地の外に出されちまう!!
そうしたら二度と湊の父親に接触できない…どうする…」

最初は小さく鳴り始めた警告音が段々と大きくなり遠目にいる患者やスタッフにもその状況が伝わってきたためザワつき始めた


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