交錯する群像劇

妖狐🦊🐯

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PHASE4ー偶然と言う名の…ー

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「ああーー!!クソクソクソッ!!
思い出したらまたむしゃくしゃしてきた!!」


羽毛田にとっては全てを失うこととなった大事件
最大のトラウマは植え付けられてもなお二人に対しての憎しみは消えることなくむしろ以前よりも増しているような状態だった

何をするのかは不明だがその足で向かった先は…


「あの兄妹の父親がいる病院ってここのことだったのか
昔のことを思い出すから嫌だな…それに意外と距離があったからついタクシーに頼っちまった
無駄に金がかかったせいでパチンコ代が減っちまったじゃねえか!クソッ!」


行動ひとつひとつにケチをつけないと気が済まないのか、一人ブツブツとボヤきながら病院へ入る


病院の中は白で統一されており広々とした空間が四方八方に広がっている
また、各科ごとにエリア分けがされており、入院棟、精神科棟というようにしきち
中央には自動演奏のピアノが置いてありクラシックが流れている


「久しぶりに来たけど相変わらず広いな…知らない棟も増えてて…さすが県内で一番大きい病院と言われるだけあるな、それに…」


辺りを見渡すと広さの割には人の数が少ない
大きいだけで評判が良くないのかと首を傾げそうになるがどうやらそういうわけでもない

ちょうどリハビリ棟から戻ってきた患者
しかしどうだろう、何やら見覚えのある顔だった
そう、プロサッカー野球選手で名を馳せた「足立俊輔(あだちしゅんすけ)」だ

期待のルーキーとして世間の目も注目していた彼は5年の間、その期待に応えるようなプレーをして活躍していたがその年の夏に電撃引退
その引退理由は試合中で起きた大怪我によるものだった

怪我の治療に約1年、しかし損傷具合が酷く治ったとしても元のような動きができないということを医師から告げられたことで彼の選手生命は絶たれた


「よくニュースで出てた選手か、あれから2年経ってもまだここにいるってことは本当に酷かったんだな…俺には関係ないけど」


足立を横目に院内を歩き回っていると他にも患者がチラホラ目に入ったが誰を見てもテレビの向こうで見る顔ぶれや名門出身の人間ばかりでいわゆる一般人が全くと言っていいほどいない

この病院は大きさや設備が整っているだけではなく、著名人や名のある所からの人間といった人間が9割を占めている

残りの1割はここの設備でないと治療が困難な一般患者が紹介状を持って訪れるが、ほとんどは手術を終えて回復傾向になったら敷地を出て隣接する病院へ移っていくので長く滞在することはない


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