94 / 223
PHASE4ー偶然と言う名の…ー
84
しおりを挟む「えっ?」
「ちょ、ちょっと!いくらなんでもそんな言い方しなくてもいいんじゃない!?」
「そ、そうだよ葵!ただの例え話じゃないか!
何ムキになってるんだよ」
「ムキになってる?君こそ僕らが頭を悩ませていた時期に父さんとマンツーマンで指導を受けられるような高待遇だったのに、高校での成績はどうだ?
入学してから今現在まで一度たりとも僕らの順位を抜けてないじゃないか
それは言い換えてみれば父さんのマンツーマン指導が無意味だったという侮辱とも捉えられるんだぞ?」
「お兄ちゃんいい加減にして!!!
いくら勇二くんが少しの間だけお父さんとマンツーマンで指導してもらっていたのが羨ましいからってファザコン精神が見苦しいよ!!
さすがにちょっと幻滅した…」
「お、落ち着いてくれ二人とも…
確かに俺の両親の勝手な都合で二人のお父さんを巻き込んでしまった、それは申し訳ないよ
元々俺は中学時代ではトップだった、しかし高校になってこの成績だ…これは俺の頭が良かったわけじゃなくて言い方は悪いが中学のレベルが低かっただけだ
それが高校で浮き彫りになった、ただそれだけのこと
それにいくらマンツーマンを受けても凡人に毛が生えたくらいじゃ地頭の良い葵と茜には勝てないよ…
だって二人は教わるも何もあの父親の遺伝子から生まれているんだから、それは血の繋がった子どもにしかない特権で俺たちには絶対に手の届かないものなんだよ!!」
「…」
「んん、なんか聞いてる私も恥ずかしいんだけど…
ねえお兄ちゃん?お兄ちゃんのその身体には確かにお父さんのDNAが入ってるんだよ?
これは私たち二人だけしか持ってないんだよ!?
勇二くんも謝ってることだからお願い!あんまり嫉妬しないであげて!」
「…先に行って頭冷やしてくる」
そう言って駆け足で学校に向かっていく葵
茜も勇二もその言葉を汲みとって追いかけずにそのままのペースで学校へ向かっていった
「ハッ、ハッ、ああ恥ずかしい!高3にもなって子どもみたいなあんな嫉妬してる自分が情けない!!」
一人になったことで自分の発言に対して後悔をしながら走っている葵
「きっと父さんが僕と同じ年のころにはこんなどうしようもないことなんて微塵も考えてなかったんだろうな…
大人にならないと…ん?あれ、あいつは…」
4
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説


ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。

男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる