交錯する群像劇

PHASE４ー偶然と言う名の…ー

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「そして彼女が倒れ再び警察を呼んだということですか」


「ああ、たださすがに間髪をあけずに二度もあのホテルへ警察が出動したことで筆頭株主のこちらに連絡がきたのだが、オーバードーズした人間がいると聞いたので同行させてもらったよ」


「思い出しました、本来であれば秘書である私が送迎するのですがあの時は警察の目もあったので仕方なく待機しておりました」


「あらぬ疑いをかけられるのも癪だからな」


「そしてその一件を境に例の彼と接触、そして今の関係を築き上げるきっかけとなった瞬間でしたか」


「ああ、本人からしたら当時警官と共に駆けつけた私のことをどう思っていたかはわからないが、こうして従順な犬、いや子猫になってくれているからな
やはり手負で思春期の人間は手懐けやすい」


「あなたという方は本当に弱っている人間の心の隙間に取り入れるのが上手い、そちらの分野でも成功するでしょうな」


「医療だけでなく心理学も勉強していたからな、だがビジネスにするには断然医療の方が金になるからこっちはあくまで趣味やストレス解消みたいなものだよ」


「ストレス解消のために巻き込まれる人たちも不憫なものですな」


「いつだって弱肉強食の世界だからな、いずれ食われるなら新鮮なうちがいいだろう？」


「それもそうですね」