87 / 175
PHASE4ー偶然と言う名の…ー
78
しおりを挟む「えっ!?それはつまりどういう…」
「彼女を掌握したいのだろう?だったら一番弱っている時に寄り添って依存させたらいい」
「仕事外で…プライベートで会うってことですか…」
「確か彼女は一人暮らしなんだろう?診断内容がどうとか適当に理由をつけて直接会ったらいい
彼女が弱っているタイミングなんて診察している君が一番理解しているだろうからね…一番頃合いのところで訪問してそこで彼女に寄り添えばいい」
「塩谷先輩…」
「なあに、心配しなくても君はできる男だ!
私も相談された身として、背中をひと押しすることが君に最大の答えを出していると思っているからね」
「塩谷先輩…ありがとうございます!!俺やります!!
一歩先に踏み込んで自分の幸せを掴んでみせます!!」
「いいぞその調子だ!ただし私が君にこういったアドバイスをしたことはくれぐれも内密に…ね?」
「勿論です!第一患者に手を出そうとしているなんて他のスタッフの耳に入ったらすぐにあらぬ方向で広まってここにいられないですよ」
「それもそうだな、楠くんがロリコンだなんて院内に知れ渡った日には確実に狂気の眼差しを浴びながら仕事する羽目になるだろう」
「それは絶対に避けたいです!!
塩谷先輩こそくれぐれに内密にお願いします!!」
「ハハッ、任せてくれたまえ」
先ほどまでの上の空だった顔が嘘のように晴れやかになり目標を見つけた楠は不敵な笑みを浮かべながら去っていった
「患者に手を出そうとして…か、本音というやつは本当にふとした時に出るものだな
さて、どんな展開になるのか見ものだな」
そう呟きながら直人もまた去っていく
楠の背中を見ながら何かが始まったと言わんばかりに不敵、いや不気味な笑みを浮かべて
1
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる