84 / 133
PHASE4ー偶然と言う名の…ー
75
しおりを挟む「そうなんですね…由美さん、半年前から毎日これを飲まないと眠れないって言ってて俺が知り合った時にはもう結構な数を飲んでいたからてっきりそれが普通だと思っていました…」
「まあ、まだ違法な薬物じゃなかっただけマシか…
もしそうだったらもっと念入りな調査になるから君もあらぬ疑いをかけられるところだった」
「いえ、でも知らなかった俺にも責任があります
もっとそういう知識があれば止めることもできたのに…」
「ふむ、お巡りさん…ひとまず勇二くんの疑いは晴れたということでいいかな?」
「え、ええ…今回においては被害者が自ら薬の過剰摂取をしたことによる中毒ということなので彼にはこれ以上追及することはありません」
「そうか、疑いが晴れて良かったね勇二くん
ところで君は薬の知識があれば彼女を守れたかもしれないと言っていたね?」
「はい…」
「ならば私がその辺りの知識を教えてあげよう
聞くところによると週末以外にも君はどうやら暇を持て余しているみたいだからね」
「えっ、どうしてそれを!?」
「風の噂さ、それに僕は君の両親とも仲が良い
それだけで充分だとは思わないかね?」
「…」
「決まりだね、じゃあひとまず来週の金曜の夜にここへお邪魔するよ、本や必要なものはその時に一式持ってくるからね」
「よろしく…お願いします!」
「さて、私は明日も朝からオペの予定が入っているのでね
ここら辺で失礼させてもらうよ、勇二くんはこんなことが起きた後だけど一人でここにいるのかい?」
「由美さんのことが心配なので病院に行きたいです…」
「そうか、恋人の心配をするのは当然だよね
だけど悪いことは言わないが彼女のことはもうこれっきりにした方がいい
既にあんなことを日常的にしている以上、精神的に問題があるから君の身に何か起きる可能性が非常に高い、そうなってしまったら全て終わりだ」
「で、でも…」
「それに今は彼女のご家族もいるはずだ
下手に彼女と一緒にいた君が顔を出せばどんな理不尽なことを言われるかわからないよ
それに彼女と両親の仲が悪いことも本人から聞いているんだろう?
だから彼女もここに入り浸るようになった、違うかい?」
「おっしゃるとおりです…」
「急な出来事で混乱していると思うから、私が家まで送ってあげるよ
安心しなさい、両親には上手いこと説明しておいたから変に気を遣わなくていい
下手に何か言う方が怪しむからいつも通りでいいんだ」
「あ、ありがとうございます…お巡りさんにもご迷惑をおかけしました、」
「いや、君もある意味では被害者だ
あまり気を落とさないでゆっくり休むといい」
こうしてこの事件は幕を閉じた
勇二はその後由美の元には行かず医師からは更生施設に入ったと聞かされたことで関係は自然とフェードアウトする形になった
3
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
振られた腹いせに別の男と付き合ったらそいつに本気になってしまった話
雨宮里玖
BL
「好きな人が出来たから別れたい」と恋人の翔に突然言われてしまった諒平。
諒平は別れたくないと引き止めようとするが翔は諒平に最初で最後のキスをした後、去ってしまった。
実は翔には諒平に隠している事実があり——。
諒平(20)攻め。大学生。
翔(20) 受け。大学生。
慶介(21)翔と同じサークルの友人。
【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる