交錯する群像劇

妖狐🦊🐯

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PHASE4ー偶然と言う名の…ー

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「そうなんですね…由美さん、半年前から毎日これを飲まないと眠れないって言ってて俺が知り合った時にはもう結構な数を飲んでいたからてっきりそれが普通だと思っていました…」


「まあ、まだ違法な薬物じゃなかっただけマシか…
もしそうだったらもっと念入りな調査になるから君もあらぬ疑いをかけられるところだった」


「いえ、でも知らなかった俺にも責任があります
もっとそういう知識があれば止めることもできたのに…」


「ふむ、お巡りさん…ひとまず勇二くんの疑いは晴れたということでいいかな?」


「え、ええ…今回においては被害者が自ら薬の過剰摂取をしたことによる中毒ということなので彼にはこれ以上追及することはありません」


「そうか、疑いが晴れて良かったね勇二くん
ところで君は薬の知識があれば彼女を守れたかもしれないと言っていたね?」


「はい…」


「ならば私がその辺りの知識を教えてあげよう
聞くところによると週末以外にも君はどうやら暇を持て余しているみたいだからね」


「えっ、どうしてそれを!?」


「風の噂さ、それに僕は君の両親とも仲が良い
それだけで充分だとは思わないかね?」


「…」


「決まりだね、じゃあひとまず来週の金曜の夜にここへお邪魔するよ、本や必要なものはその時に一式持ってくるからね」


「よろしく…お願いします!」


「さて、私は明日も朝からオペの予定が入っているのでね
ここら辺で失礼させてもらうよ、勇二くんはこんなことが起きた後だけど一人でここにいるのかい?」


「由美さんのことが心配なので病院に行きたいです…」


「そうか、恋人の心配をするのは当然だよね
だけど悪いことは言わないが彼女のことはもうこれっきりにした方がいい
既にあんなことを日常的にしている以上、精神的に問題があるから君の身に何か起きる可能性が非常に高い、そうなってしまったら全て終わりだ」


「で、でも…」


「それに今は彼女のご家族もいるはずだ
下手に彼女と一緒にいた君が顔を出せばどんな理不尽なことを言われるかわからないよ

それに彼女と両親の仲が悪いことも本人から聞いているんだろう?
だから彼女もここに入り浸るようになった、違うかい?」


「おっしゃるとおりです…」


「急な出来事で混乱していると思うから、私が家まで送ってあげるよ
安心しなさい、両親には上手いこと説明しておいたから変に気を遣わなくていい
下手に何か言う方が怪しむからいつも通りでいいんだ」


「あ、ありがとうございます…お巡りさんにもご迷惑をおかけしました、」


「いや、君もある意味では被害者だ
あまり気を落とさないでゆっくり休むといい」


こうしてこの事件は幕を閉じた
勇二はその後由美の元には行かず医師からは更生施設に入ったと聞かされたことで関係は自然とフェードアウトする形になった


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