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PHASE4ー偶然と言う名の…ー
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しおりを挟む入学式を終えて自分達の学ぶ棟の中をひと通り見終わったので門の前に停まっている迎えの車に乗り込む葵と茜
「この後学校に少し挨拶をしてくるからお前たちは先に帰っていなさい、遅くとも夕方には戻る」
(頷く二人)
「さてと…確か彼も同じ科だったな」
一人残った直人は誰かを探すかのように再び子供達の通う予定の棟へ向かう
「塩谷先生ーー!!!」
遠くから直人に向かって声をかけながらこちらに近づいてくる生徒がいた
一年生の新品の制服ということで彼も自分達の子供と同じ新入生だ
「塩谷先生お久しぶりです!!お元気でしたか?」
「久しぶり、といっても一ヶ月も経ってないけどね
変わらず健康だよ、君は相変わらず元気だね勇二くん、入学おめでとう
今日は親御と一緒じゃないのかい?」
「先生も意地悪ですね!俺よりも両親のことはご存知でしょう?息子の晴れ舞台は中学で終わりですよ!」
「君の両親も相変わらずか、苦労してるね」
「もう慣れましたから!それに先生と出会ってから俺の価値観は色々変わったし、今まで以上に考えながら行動しているので一人の方がむしろ都合がいいですよ!」
「一人暮らしは人を大きく成長させるからね
早いうちに始めて損はないよ」
「ありがとうございます!先生も良かったら今度遊びに来てくださいよ!
といってもここを提供してくれたのは先生でしたね!」
「ハハッいいよいいよ、そうだね…それじゃあ早速この後お邪魔してもいいかい?」
「えっ!?いきなりですか!?お仕事はいいんですか?」
「今日は非番だからね、それにかつての母校に自分の子供達が入学する場面くらいはしっかり見届けたいからね」
「いい父親ですね、先生は!羨ましいです!」
「そんなこともないさ!娘は思春期なのかどうにも近寄り難いみたいでコミュニケーション不足にならないようにするので精一杯だよ」
「年頃の女子は難しいみたいですね、中学の時もよくクラスの女子が嘆いてましたよ」
「共通認識であるなら父としては少し気が楽になるね
君と同じ科になるから良かったら仲良くしてやってくれると嬉しいな、葵に…兄にべったりの性格もそろそろ卒業した方がいいからね」
「先生も色々と大変なんですね…わかりました!
同じクラスになった時はよろしくお願いします」
「ああ、よろしく頼むよ!ところで、勇二くんはもうひと通りは見終わったかね?」
「はい、充分散策はしたので帰ろうと思っていました」
「では先に帰って準備をしておきなさい、母校の恩師に挨拶だけしたらすぐに君の家に向かうよ」
「は、はい!!お待ちしています!!」
「ハハッ今固くなってもしょうがないよ!
じゃあまたあとでね」
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