交錯する群像劇

妖狐🦊🐯

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PHASE4ー偶然と言う名の…ー

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「あれっ?慶太!!?おい慶太だろ!!」


高校に向かって歩いていたら聞き慣れた声が自分の名前を呼ぶので振り返る


「おお勇二!?奇遇だな!!こんな早い時間にどうしたんだよ!!」


「ハハハッ、それはこっちのセリフだよ!
お前実家から通うんだろ⁇電車だけで30分近くかかるからすげえ早起きだなー」


「まあ初日だから気持ち早めに来たけどな!
電車自体そこまで乗り慣れてないからあれだけど…マジで朝の電車って地獄だったわ」


「そりゃ皆同じような時間に学校も仕事も始まるから、逆算したら必然的に渋滞する時間帯も決まってくるからな!!
それをわかってて電車通学は嫌だから俺はこの辺で一人暮らしを始めたんだよ」


「さすが特待生、学費免除だけじゃなくてそういう部分も優遇されてるのか…」


「何言ってんだよ!あくまで免除されたのは学費だけで家賃は自腹に決まってんだろ!
てかお前も学費免除されてるんだろうが!」


「自腹っていっても金持ちの親が出してるんだろ?
まあ俺の場合は1/2免除だから完全免除とは違うな、それでも何もないよりは全然マシだけど…」


「いやいや、うちの親はそんな甘い人間じゃないから…
それに義務教育終えた以上は自分で生き抜くべきだって昔から刷り込まれてるし、親に借りを作るのが嫌なのは間違いないから家を出たってことさ
まあ事業をしてるから家賃はそこで賄ってる感じだよ」


「大人だな…てか事業って何!?バイトしてるとかじゃねえのかよ!?」


「ん?ああ、事業ってカッコつけたけど実際は中古のゲームを買ってそれを高値で売ることで差額が利益になるんだよ、たまに価値を知らない人間がプレミア品をその辺のゲームと同じ価格で売ってるからな、それを上手いこと見つけて買ってるって感じだ」


「へえーそんなことやってたのか!話だけ聞くと簡単そうだけどそんなにポンポン見つかるもんなのか?」


「いかに市場調査とこれからの流行を先取りできるかにかかってるな、だから常にアンテナ張ってチェックするんだよ
ゲームだけじゃなくて例えば今は売れてない歌手でも数年後に大ヒットして、インディーズ時代のCDにプレミアが付くとかな」


「なんかやってることがすごいな…大人の入れ知恵ならまだしも15でその発想に至って実行してるのはバケモンだな…」


「中1から始めてるから今はだいぶ仕組み作りができて楽だけどな!最初の頃はチャリ漕いであちこちの中古ショップを駆け巡ったわ!!
まあ金を稼ぐことを知るのは早くて損はないからお前もバイトくらい始めたらいいんじゃね?」


「そうだな、これまでは当たり前に小遣いもらってたけど色んなことに興味が出るとどんどん金かかってくるし親父への負担も考えたら自立への一歩って意味でもバイトするか!!」


「まあそれぞれ家庭の事情が違うからな…何が正解とかはねえけど、金だけはいくらあっても困らないしな!!」


「15で言うセリフでもないけどな…勇二がそれだけ常に考えて動いてるのは中学時代から見ててわかるわ」


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