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PHASE3ー遠すぎる憧れー
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しおりを挟むガラガラ…
カッ、カッ、カッ
「ねえ…あの人ってもしかして…」
「うそっ!?なんでこんなところに!?」
平日のまだ人気の少ない時間、その女性はマネージャーとSP数人を引き連れて帰国した
すれ違う人、少し離れて彼女を見つけた人はすぐに気づいてはザワついている
それもそのはず、彼女は変装や目立たないようにする気などなく黒のワンピースの上から黒のロングコートを羽織り、ブランドのロゴが目立つ黒のショートブーツといった黒一色にライトブラウンの女優帽とサングラスといったコーデ
まるで海外スターを彷彿とさせるようなその姿は存在感をより際立たせている
「本物だあ…すごく綺麗…‼︎」
「フフッ」
「えっ!手振ってくれた‼︎ヤバっ‼︎」
道行く人に気付かれては時折手を振るなどして反応をみせるがどれだけ気付かれても決して彼女に近づく人間はいなかった
少ない時間帯とはいえ国内ではかなり大きな空港だ
それなりに人がいる中一歩間違えたら人が集まってしまってもおかしくはない
だが彼女にはその堂々とした立ち振る舞いから放たれるオーラには優雅さと威圧感が共存しているので周りの人間は自然と一定の距離までしか近づかない
こうして人だかりができることもなく最短距離で空港を後にして国内の付き人が横付けした高級車へ向かう女性
マネージャーがトランクに荷物を積み込んでいる間に後部座席へ乗り込む
「あらっ?」
ペコッ
乗り込むと先客がおり立ち上がって深くお辞儀をした
その後マネージャーも後部座席に乗り出発する
「香織様、海外公演のお勤めご苦労様です
帰国直後でお疲れだと思いますのでゆっくりしてください」
「ええ、そうさせてもらうわ…それと例の件だけど候補は見つかった?」
「はい、条件の合う候補を絞り込み後出しで香織様がおっしゃっていたあることが可能かどうかを問いかけた結果、合致する人間が一名いました」
「それが目の前に座っているあの子のことね」
「左様でございます、名前は青木由奈(24)マネージャー歴は2年と浅いですが必要な条件は揃っています」
「あ、青木由奈です!!この度は最終選考まで進めていただきありがとうございます!!」
「フフッ、元気があってよろしくてよ
それじゃあ青木さん、目的地に着くまでちょっとお話ししようかしら」
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