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PHASE3ー遠すぎる憧れー
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しおりを挟む「おお目を覚ましたか!!全く…帰ってくるや否やいきなりゲロを吐き散らすんだから焦ったぞ!!
ちゃんと水分補給してたか!?」
「すみません…終わってからずっと考え事をしていてあまり水分補給してなかったです…」
「ハァ…初日公演が終わったから脳内反省会をするのは大いに結構、だけどそれで倒れてちゃ元も子もないよな?」
「はい…」
勿論そんな理由でこんなことになったわけじゃない
あの場所ですぐにでも吐いてしまいたいくらい胃がキリキリしていたが、そんなことをしたら見ていたこともバレてより大ごとになると思っていた
「まだ4公演も残ってるんだから体調が回復したら今日はそのまま帰ること!!
自主練してまた倒れたらたまったもんじゃないからな!」
「ええ!?反省点が多すぎたから通しで反復しようと思ってたんですが…」
「ダメダメ!!目の前で倒れられた身としてはその反復練習は許可できないな
それで無理したことで明日以降に響く方が全体に迷惑をかけることになるんだぞ!!
気持ちはわかるけど今日は安静にしていてくれ…脳内反省会はいくらでもやっていいから頼む!」
「…わかりました」
ここまで強く言われてしまったら大人しく引き下がるしかない
一度は倒れた身…どんなに元気をアピールしたところで逆効果なのは言うまでもないと思ったからだ
幸いすぐに水分補給をして少し安静になっていたことで回復したのでそそくさと帰宅した
…
「初日公演、思ったよりも良かったですわね…
多少ハプニングはありましたが、それでも新人が多い中見事な演技でしたよ
この様子なら残りの公演もそれなりの入りが期待できそうですね」
「ありがとうございます、オーナー」
「それにしても、今回はまた斬新な編成にしたものですね
表立っているメンバーのほとんどを新人にしたいだなんて…こっちの界隈でも光る原石を磨いてみたくなったのですか?」
「ハハッ、まあそんなところですね!それに、気になる子もいるのでね…」
「気になる子?」
「あの名俳優の息子ですよ、風の噂で数年前からこっちの業界にまた足を踏み入れたことを聞いたものでしてね」
「ああ、湊晴彦の…確か子役時代に関わりがあったのよね?
その様子だとあの時から目をつけていたのねフフ、相変わらず物好きね」
「いやはや、否定ができないのが辛いですな!
久しぶりに彼を見たら本当に綺麗な顔をしていましたよ、それに若き日の晴彦君に面影もあって…僕も色々と思い出しました」
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