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PHASE3ー遠すぎる憧れー
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しおりを挟む「ハァッ、ハァッ…早くここから逃げなきゃ!!」
会場から出て全力疾走で稽古場へ戻る翔
呼吸を荒げながら途中呼吸をするのも忘れるくらいにとにかく駆け出していた
自分の見ていたあの光景、まるで悪夢そのものだった
まさかシゲさんと大河があんなことをしていただなんて…会話の内容はあまり良く聞こえていなかったけど、状況からしてもう以前から何度もされているような感じだった
考えてみたら大河は本番が近づくにつれてシゲさんとの個人レッスンの回数や時間が増えていた
居残りレッスンも何度かあったが、それらは全て大河が主役というポジションということで人一倍練習が必要である立場だから特別ひいきをされていることではないと思い込んでいた
しかし先程のアレを見てしまった以上、否応が無しに想像は膨らんでしまう…もしかしたらその居残りレッスンで既にああいった行為があったのではないかと…
そんなことを考えながら稽古場に戻ってきた翔
そこにたまたま外に出ていた稽古場のスタッフが声をかける
「おお、帰ってきたか!スマホを探しに行ったって聞いたけどやけに遅かったな!!
それにその汗、ファンにでも追われて全力疾走でもしてきたのかハハッ!…って顔色真っ青だぞ…大丈夫か?」
「ハッ、ハハッどうも…うぅ…うぷ、おええぇぇ!!!」
「おおおおいおい!!!どうしたどうした!!??
おーい!誰かスポドリと救急箱持ってきてくれー!!」
稽古場に戻ってきたことへの安堵からか、それまで我慢していたことが一気に押し寄せてきて言葉ではなく物理的に吐き散らかした
…
「ほら、君もこうして…同じようにするんだ」
「大河だって出来たことだ、翔くんが出来ないわけはない」
「ダメだ…こんなことをしたら後戻りできなくなる…」
「…ング、グポクポッ…翔さんあなたの熱量はそんなものだったんですか?僕より全然大したことないですね、所詮はお父さんの七光なんですもんね!!」
「俺は…俺は…!!」
ガバッ
「ハァハァ…夢か…嫌な夢だった…」
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