57 / 135
PHASE3ー遠すぎる憧れー
50
しおりを挟む「えっ!?」
僅かに開けた隙間から中の様子を見た翔
机が椅子があるのではっきりとは見えていないが奥に人がいることはわかった
しかしそこから聞こえてくる声に思わず耳を疑う
「ごめんなさい…ごめんなさい!!」
「初日からこんな調子で最終日まで保つのか!!
初舞台だろうが何だろうが、お前は事務所代表でここにいるんだぞ!!」
「はい、すみません…本当に申し訳あり…痛ッ」
「お前の事務所の連中がどんな想いでお前をここに送り込んだと思ってるんだ!?
それだけの重荷を背負ってる自覚はあるのか!??
まさか、あんな演技なんかで今回の舞台が上手くいくなんて思ってないだろうな??」
部屋中に響き渡る怒号に翔も思わず萎縮してしまう
声の感じからして茂森監督と大河であることは間違いないだろう…しかしいくら舞台に対しての熱量があるとは言えここまで厳しいことをする人だったのかと呆気に取られている
「何だよこれ…シゲさん…だよな⁇まるで別人だ…
あんなに怒ってる姿、今まで見たこともない…
それに…もっとおかしいことが起きてる…なんで!どうして!!」
目の前の光景に脳の理解が追いつかない翔
ただの説教話を盗み聞きしようだなんて思って及んだ行為がこんな場面に鉢合わせるきっかけになるなんて誰が想像できたのだろう
それに翔が驚いているのは監督の怒りだけではない
いやむしろ驚きと戸惑いが同時に起きていることによって、より頭の中をかき乱しているのだろう…
だが無理もない、翔が更に扉をゆっくりと開けて二人の姿をチラッと見たそこには…当たり前のように素っ裸でこのやり取りをしているという光景が広がっていたのだから…
そして監督は大河が声を発するたびに手に持っている鞭のようなもので大河の身体を叩き怒号と罵声を浴びせる
服を着ている時には気付かなかったが大河の背中や足はアザだらけだった
それも何度も繰り返しでやられたのか、跡だけではなく、場所によってはみみず腫れになってしまっている
さすがに顔に対してはその怒りがぶつけられることがなかったのか綺麗なままであるが痛みと萎縮でクシャクシャになっている
それくらい異常な光景がこの部屋で繰り広げられている
2
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
小さい頃、近所のお兄さんに赤ちゃんみたいに甘えた事がきっかけで性癖が歪んでしまって困ってる
海野
BL
小さい頃、妹の誕生で赤ちゃん返りをした事のある雄介少年。少年も大人になり青年になった。しかし一般男性の性の興味とは外れ、幼児プレイにしかときめかなくなってしまった。あの時お世話になった「近所のお兄さん」は結婚してしまったし、彼ももう赤ちゃんになれる程可愛い背格好では無い。そんなある日、職場で「お兄さん」に似た雰囲気の人を見つける。いつしか目で追う様になった彼は次第にその人を妄想の材料に使うようになる。ある日の残業中、眠ってしまった雄介は、起こしに来た人物に寝ぼけてママと言って抱きついてしまい…?
おねしょ癖のせいで恋人のお泊まりを避け続けて不信感持たれて喧嘩しちゃう話
こじらせた処女
BL
網谷凛(あみやりん)には付き合って半年の恋人がいるにもかかわらず、一度もお泊まりをしたことがない。それは彼自身の悩み、おねしょをしてしまうことだった。
ある日の会社帰り、急な大雨で網谷の乗る電車が止まり、帰れなくなってしまう。どうしようかと悩んでいたところに、彼氏である市川由希(いちかわゆき)に鉢合わせる。泊まって行くことを強く勧められてしまい…?
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
エレベーターで一緒になった男の子がやけにモジモジしているので
こじらせた処女
BL
大学生になり、一人暮らしを始めた荒井は、今日も今日とて買い物を済ませて、下宿先のエレベーターを待っていた。そこに偶然居合わせた中学生になりたての男の子。やけにソワソワしていて、我慢しているというのは明白だった。
とてつもなく短いエレベーターの移動時間に繰り広げられる、激しいおしっこダンス。果たして彼は間に合うのだろうか…
【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる