交錯する群像劇

妖狐🦊🐯

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PHASE3ー遠すぎる憧れー

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こうして反省会を終えたメンバーは各々の納得するまで演技の復習や早速メンタルトレーニングをして明日に備えていた


「緊張のせいか動きのキレが悪かったからな…気になった部分はさっきスマホにまとめておいたから本番の景色を思い出しながらひと通りやってみるか…ってあれ?スマホがない…」


翔も気になっていたシーンの反復練習をしようとするが劇場にスマホを忘れたことに気づく


「キャプテンすみません、劇場にスマホ忘れたみたいなので探してきます!!」


「わかった、まあ皆自由にやってるから気にせず行ってきな」


「はい!すぐ戻ります!」


駆け足で劇場に向かう翔、とはいっても徒歩で20分程の距離なので10分足らずで到着した

劇場関係者に事情を話してステージ裏側に仮設でできた更衣室や、皆が場面の入れ替え時に待機する少し広めのスペースといったひと通り自分が訪れた場所を探し回る


「あっ!こんな所に落としてたのか良かった!
さて、すぐに戻って稽古の復習を…と思ったけどせっかくだからもう少し見ていくか」


更衣室の片隅に落ちていたスマホを拾いひと安心する翔
そのまますぐに帰ろうとしたが何か役に立つかもしれないと思い、もう一度舞台に上がって客席を見渡したり逆に客席に座って客目線になってみる等した

その後劇場内をひと回りして帰ろうとした時にふと明かりのついている部屋を見つける


「あれ?この部屋まだ明かりがついてる…確か今朝監督が関係者と打ち合わせをした時に使っていたよな…

そういえば大河が監督に呼ばれてるって言ってたのはもしかしてここで初日の反省点や翌日以降の打ち合わせをしてるのかもしれない…

…ちょっと聞き耳立てるくらいならバレないよな」



大河は初の舞台にも関わらずいきなり主役ということもあって本人の緊張は勿論のこと、監督や周りからの期待や重圧も人一倍かかっているに違いない

子役時代と今回の舞台練習でしか知らない監督だが、初陣から重くのしかかっている期待を背負う大河に対してどのようなケアをしているのか正直気になるところだ


「周りには他に人はいないようだし…少しくらいなら」


そうして扉の前まで近づき聞き耳を立てる
しかし意外と防音性のある壁になっているので中の声は遠くかすかに聞こえる程度であり、会話の内容がわかるレベルではなかった


「うーん…意外と聞こえないもんだな
もしかしたら部屋の奥で話してるのかもしれない
リスクはあるけど少し扉を開けてみるか…」


扉はスライド式になっていたので音が立たないようにゆっくりと扉を開く翔、だが…



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