交錯する群像劇

妖狐🦊🐯

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PHASE3ー遠すぎる憧れー

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翌週


小さな劇場で今か今かとソレの始まりを楽しみにしている人や関係者が続々と会場へ足を運びロビーで談笑したり座席へ向かっている

そしてバックヤードでは、舞台役者から転換人員を含めた一同が円陣を組み監督を筆頭に気合を入れていた


「皆おはよう、ついに今日から舞台のお披露目だ!
人によってはこれが初の晴れ舞台になるだろう

まあ、一部の人間には何を言わずとも顔に緊張という文字がデカデカと主張しているから今更追い打ちをかけるつもりはないが、全身全霊で臨めばいい!自信を持つんだ!!行くぞ!!」


おおおーーー!!!!! (一同)


こうして幕が開かれた舞台
劇場のキャパシティは300人程度だろうか
半分は埋まっているようだからブロックで空いている空間もあり少し寂しい

5日間あるとは言え初日の反響によっては当然残りの公演に影響が出るので色々な意味で緊張する

だが、こんな状態だからこそ今までの練習やメンタルトレーニングで培った集大成をこの舞台で披露することが大切だと思っているので全力でぶつかって行く!!


そんな気持ちで本番に臨んだ

初日の結果は個人的な演技としては特に目立ったミスもなく卒なくこなせた方だと思った
ちょい役ではあるが何度も舞台を経験しているからこその客前に立った時の空気感にも慣れていたので臆することがなかったのだ

だが全体的な舞台としては正直言って残念な感じになってしまった
始めから悪かったわけではない、むしろ中盤までは新人が多い中では良くやっていたと誰しもが思っただろう

しかし終盤に差し掛かった時にソレは起きてしまった
主に転換時のミスで本来あるはずの小物が手持ちから抜けていたり、逆にその場面では不要で余分な物が置いてあったりと連携に乱れが出ていた

しまいにはそのプレッシャーからか主役の大河がセリフを飛ばすと言ったことも起きたが、こちらのアドリブで場を繋ぎそこはどうにか事なきことを得た

本番を終えて舞台裏から聞き耳を立てて飛び交うお客さんの感想を聞いていた


「今回半分以上が初舞台らしいよー!意外と様になってたんじゃない?」


「主役の子、あれ絶対途中セリフ飛んでたよねーー」


「だね、でも敵役の子が上手く繋いだからあまり違和感なかったな!あれはナイスフォローだと思ったよ」


「なんか途中ゴタついてたけどあれなんだったんだろうな」


良いとこ悪いとこ様々な感想が飛び交っており、褒められる部分もあればやらかした部分もあり一概に喜ぶことはできなかった


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