交錯する群像劇

妖狐🦊🐯

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PHASE3ー遠すぎる憧れー

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「湊翔さんですよね!?自分、大空大河と言います!!これからよろしくお願いします!」


「ん?ああ、よろしく」


「俺実は…翔さんがいつも最後の一人になるまで芝居の稽古をしている姿を見てて密かに感激しているんです!!
この人は作品に向けての熱量が人一倍強いんだなって感じてて負けてられないと思いました!!」


「そ、そっかありがとう…君こそやる気が満ち溢れてるからこっちからしても負けてられないな
まあ初めての舞台で戸惑うことは多いと思うけど、お互い頑張ろうな!!」


若さ溢れる新人の熱のこもった真っ直ぐな想いをぶつけられて動揺するが、一応芸歴から見ても先輩である自分が負けるわけにもいかないので堂々と受け応えてその場をしのぐ


「おお!あなたが例の湊さんの!俺は雄介、芸歴5年のペーペーですがよろしくお願いします!」


「…ああ、湊翔だ!よろしく!」


初めましての人は大体皆同じような挨拶から始まる
何故なら風の噂やあちらこちらから「湊翔」はあの「湊晴彦」の息子ということを…
そして自分に近づこうとする人間、仲良くして顔を売る人間といったコネを作ろうと必死になっている姿は毎回必ず現れる

それともうひとつは、俺の演技は父親と同じく完璧で理想的なものを披露してくれると期待してくる人間…
これにおいては根本的に実力不足な部分もあるので理不尽だと思われそうだが、自分自身も父親の背中を追うと常に言っていることもあるので自業自得である

時々、本当に何も知らず話しかけてくれる稀な人間もいるがそうそうはいない…しかし「大空大河」彼においてはその言動からして珍しくその稀な人間に部類されるだろう
色眼鏡ではなく純粋に一個人として見てくれる人間はとても貴重な存在であるから彼とはなるべく良い関係を築いていこうと決心した

その後、自分達が携わる作品を本番さながらの演技でひと通り見たことでそれぞれの役割を確認し、本番に向けて本格的な稽古が始まった


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