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PHASE3ー遠すぎる憧れー

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「…は?さっきから何が言いたいんだよ」


「翔やん、今の会話でわかったけどアンタこっちの世界のこと舐めすぎや!!
自分、腐っても子役で一世を風靡したんやで?

例え舞台俳優に転身して3年のブランクなんあっても業界人からしたらあの子役が復帰したなんて話題にならんわけないやろ!!ましてや湊晴彦の息子やで!?」


「だから何度も言うけど俺はそういうの気にしないで新しい自分として活動を」


「アンタが気にせえへんでも周りが気にするんや!!
外見てみい!!学校から家に帰るまでの間に湊晴彦に関わりのあるワードをひとつも聞かんで帰れるか!?帰れへんやろ!!アンタの父親はそれだけ世間に認知されている存在なんや!!」


「そんなのわかってる…」


「いいや、わかっとらん!!演技云々においては見てないから何も言われへんけど、周りからの指摘がないのはアンタが腫れ物扱いになっとるからや!!
その感じやとわざわざ稽古場の連中が呼んでくれたのにさっきみたいな言い方で冷たく対応したんやろ

呼んだ連中からしたら意地でも話題にしたいやろから翔やんにいいポジションの役を与えたかったんやろ
まあそれなりの演技なら問題はなかったやろな
でもいざ蓋を開けてみたらてんで素人、所詮は親の七光だったっていうレッテルをそこで貼られたんよ

ただの素人相手ならいくらでもアレコレ言って鍛えられるんやろうけど、そこでアンタの父親の影がチラつくんや
せやから下手に意見したら自分自身の人生が揺らぐ危険性があると思って何も言えないんや!

世間であれだけ認知されとる人間なんやから業界内からしたら下の下まで行き届いてるくらいの人間なんや
そんなことにも気づかんのかいな!!」


「くっ…じゃあ俺はなんだ、腫れ物扱いで対応されてるから演技のレベルもわかってないような人間ってことか!?」


「よう理解しとるやないか!そうや、アンタはただただぬるま湯に浸かって生きてただけや
せやからこんな誰でもわかることにも気づかれへんしそのまま芽も出ずに5年もダラダラ活動してるんや」


「そんなの素人から始まっても対して変わらないだろ」


「何言っとんや!!アンタは素人とはちゃう、ブランクがあってもそれを芸歴ゼロにできるほど業界は甘くないんやで!!
それに自分…周りにはこう言うてるみたいやな『俺は父親の背中を追いかけてる』って、よう今の立ち位置でそんなこと言えるわ!ジョーク超えてもはや寒いわ」


「本当に性格が捻じ曲がってるなお前…俺だって薄々感じていた部分もあったんだよ!!
それをこんな大っぴらに言うのは人としてどうなんだよ!?」


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