42 / 133
PHASE3ー遠すぎる憧れー
36
しおりを挟む「ああ…なんかいつも以上に疲れた」
朝から夕方までフルで講義を受けて突っ伏している翔
「なんや翔やん、講義程度で頭オーバーヒートしてたら芝居なんてやられへんで」
「本当だよな…一日中ずーっと隣で話しかけてくる誰かさんのおかげで普段とは違う疲れが溜まったよ」
「いやいや、普段どんだけ会話せんのや自分!
稽古場に缶詰めなんやから雑談したり身体動かしながらコミュニケーションとるやろ!」
「挨拶とか返事はするけど…他には特には…」
「嘘やん!!さすがに冗談やろ!?
いくら小さなとこでも数十人はいるんやろ?
それに翔やんみたいに他から来とる奴もおるやろうし…」
「俺は一匹狼タイプなんだよ、周りと和気あいあいするタチじゃない!ストイックタイプなんだよ!
それに作品のことは監督が一番わかってるんだから、監督とコミュニケーションさえ取れていれば充分だろ!」
あくまで自分には自分のやり方やスタンスがあることをヒカルに熱弁する翔
その姿勢を聞いて自分とは真逆のタイプだと理解したヒカルだが、それにしても引っかかる部分があったのか率直な疑問として翔にぶつける
「…翔やんそれホンマに言うてんの?」
「ああ、大真面目だよ!お前にとっては真逆の考え方だから理解できないだろうけど」
「いやいやそうやなくて、翔やんって舞台俳優として活動始めてから何年や?」
「いきなりなんだよ!お前は芸歴とか気にするのか?」
「ええから、何年なん?」
「高校入学してからだから今年で5年目になるな」
「ほな子役からのブランクは3年ちょいか、でも湊晴彦の息子ってのは顔が割れてるから当然周りからはチヤホヤされたんやろ」
「まあ…それはそうだな、あちこち行く稽古場毎にその話題が一番最初にくるから…
でも俺はそんなこと気にせずに稽古はしていたけどな」
「ふーん、んで肝心の部分なんやけど舞台俳優になってから出演した作品の中で主演作は…ないよな
一番絶賛された役はどんなんや?」
「基本演技に関してはどの稽古場でも特別良い悪いをとやかく言われたことはあまりない
だけど去年演じた作品で主人公を突くイジメの親玉役、この時は輪を乱す点やギスギスして周りとの距離を感じる部分が客にウケたってことは当時の監督から言われたな」
「それは役柄としてどれくらいのポジションなんや?主人公のライバルとかそうゆう立ち位置なんか?」
「全然そんなんじゃないな、モブに毛が生えた程度のポジション」
「つまり誰でもいいような役ってことか」
7
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
振られた腹いせに別の男と付き合ったらそいつに本気になってしまった話
雨宮里玖
BL
「好きな人が出来たから別れたい」と恋人の翔に突然言われてしまった諒平。
諒平は別れたくないと引き止めようとするが翔は諒平に最初で最後のキスをした後、去ってしまった。
実は翔には諒平に隠している事実があり——。
諒平(20)攻め。大学生。
翔(20) 受け。大学生。
慶介(21)翔と同じサークルの友人。
【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる