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PHASE3ー遠すぎる憧れー
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しおりを挟む「ああ…なんかいつも以上に疲れた」
朝から夕方までフルで講義を受けて突っ伏している翔
「なんや翔やん、講義程度で頭オーバーヒートしてたら芝居なんてやられへんで」
「本当だよな…一日中ずーっと隣で話しかけてくる誰かさんのおかげで普段とは違う疲れが溜まったよ」
「いやいや、普段どんだけ会話せんのや自分!
稽古場に缶詰めなんやから雑談したり身体動かしながらコミュニケーションとるやろ!」
「挨拶とか返事はするけど…他には特には…」
「嘘やん!!さすがに冗談やろ!?
いくら小さなとこでも数十人はいるんやろ?
それに翔やんみたいに他から来とる奴もおるやろうし…」
「俺は一匹狼タイプなんだよ、周りと和気あいあいするタチじゃない!ストイックタイプなんだよ!
それに作品のことは監督が一番わかってるんだから、監督とコミュニケーションさえ取れていれば充分だろ!」
あくまで自分には自分のやり方やスタンスがあることをヒカルに熱弁する翔
その姿勢を聞いて自分とは真逆のタイプだと理解したヒカルだが、それにしても引っかかる部分があったのか率直な疑問として翔にぶつける
「…翔やんそれホンマに言うてんの?」
「ああ、大真面目だよ!お前にとっては真逆の考え方だから理解できないだろうけど」
「いやいやそうやなくて、翔やんって舞台俳優として活動始めてから何年や?」
「いきなりなんだよ!お前は芸歴とか気にするのか?」
「ええから、何年なん?」
「高校入学してからだから今年で5年目になるな」
「ほな子役からのブランクは3年ちょいか、でも湊晴彦の息子ってのは顔が割れてるから当然周りからはチヤホヤされたんやろ」
「まあ…それはそうだな、あちこち行く稽古場毎にその話題が一番最初にくるから…
でも俺はそんなこと気にせずに稽古はしていたけどな」
「ふーん、んで肝心の部分なんやけど舞台俳優になってから出演した作品の中で主演作は…ないよな
一番絶賛された役はどんなんや?」
「基本演技に関してはどの稽古場でも特別良い悪いをとやかく言われたことはあまりない
だけど去年演じた作品で主人公を突くイジメの親玉役、この時は輪を乱す点やギスギスして周りとの距離を感じる部分が客にウケたってことは当時の監督から言われたな」
「それは役柄としてどれくらいのポジションなんや?主人公のライバルとかそうゆう立ち位置なんか?」
「全然そんなんじゃないな、モブに毛が生えた程度のポジション」
「つまり誰でもいいような役ってことか」
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