30 / 175
PHASE2ーひと握りの強者達ー
26
しおりを挟む「う、うるさいわね!そんなの親に聞きなさいよ!!
ま、まあ私達も独学でよよよゆうよね!優里!」
「わ、私は今まで通りあの二人から教わるから大丈夫よ!ね、ねえ茜だって黙ってないで何か言ったらどう⁇勝手に決められて不服じゃないの?」
「…ウチに来て勉強している以上、万が一不合格にでもなったら家庭教師が悪くなるよね?
それはつまりウチのお母さんの人選ミスって捉える人もいるし、つまり塩谷家の評価を落とすことにもなり得ること
勿論そんなことしたらどうなるか…わかるよね?
それと今まで教えていたのは歴代の家庭教師からの指示で仕方なくしていたことだから勘違いしないで
自由にしてくれた以上、私もお兄ちゃんも自由に勉強するから」
「まあ、自由ってことはそう言うことだよな
俺、茜以外の他人と一緒に勉強とかできないから」
「うぇ…そ、そんな…」
冷静にそしてわかりやすく事の重大さを伝える茜
つまりは自分達の不合格によって塩谷家の評判を落とすことが、どれだけ今後の人生において自分達の家族全員を巻き込む負債を積むこととなるのか理解しているよね?という脅しにも捉えられる
塩谷一家に媚びを売っているように思っていた生徒達は、その裏側に潜むリスクを親子共々背負っているということを明るみにされて牽制を受けた状態となった
「そんなことになってたのかよ…おい葵、母親に連絡してこんな脅しみたいなことやめさせろよ!!」
「無理、親の仕事に介入できるわけないだろ
それにお前らだってお陰で不自由なくいい暮らしができているのも事実だろ?それを脅しっていうのはさすがに都合が良すぎるんじゃないか?」
「…クッ」
正論すぎてなにも言い返せない隼人
可奈も優里もさすがにこればかりは自分達が頑張らないとと決心したのか家庭教師から教わることになった
何にせよ葵と茜はあくまで自分達のみで動いており、周りのことを全て理解しつつも乗り越えられるという慢心ではなく本当の心持ちがあるからこそ、今までのような行いをしていた
根本的に他の生徒とは考え方が違っていたのだ
「では決まりですね、あなた達二人は私としっかり試験対策をしていきましょう!」
「ま、待ってくれ!!俺もお願いします!!」
「では三人仲良くよろしくお願いしますね」
観念したように返事をする生徒達
それから週に数回、都度2時間みっちりと試験対策と普段の勉強を身体に叩き込んでいった
5
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる