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PHASE2ーひと握りの強者達ー
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しおりを挟む「本当は可奈ちゃんにプレッシャーがかかるかもしれないから言おうか迷っていたけど、このお家って実は塩谷さんの奥さんの真奈美さんが所有している土地なの」
「ん?うちが葵と茜のお母さんの物なのが私と何か関係があるの?」
「それがものすごくあるの!
あなたが今塩谷さんのお家で合同で家庭教師を呼んでお勉強できているのも関係してるのよ」
「えっ?どういうこと??」
「真奈美さんは自分の子供達は勿論だけど、自分に近しい人の子供にも同じように将来に向けて明るく進んでほしいって気持ちのある方なの
それで自分の所有する土地の中から何人かが選ばれて合同勉強会を開いているということなの」
「そうなんだ、じゃあ優里と隼人も」
「あなたと同じように選ばれたということ、でも大切なのはここから…つまりあなた達も真奈美さんからしたら実の子供と同じくらい期待されているってことなの
だからもし万が一、受験に落ちたなんてことがあったら真奈美さんの期待を裏切り顔に泥を塗る形になるの…
そんなことになったら最悪、今借りているこの土地の契約を解除されてしまうかもしれないの」
「ええっ!?契約解除ってことは私達どうなっちゃうの⁇」
「ここを出ていかないといけないことになるわね、正直なところパパとママのお給料じゃこんなにいいお家には住めないの
それでもこうしていられるのは真奈美さんのおかげなのよ、だから絶対に期待に答えないといけないの」
「そんな…私の知らないところでそんなことになっているなんて…」
「可奈ちゃんと一緒にいる優里ちゃんと隼人くん以外にも十数人が同じように真奈美さんのおかげでいい生活をできている人がいるのよ
だから可奈ちゃんには頑張ってもらわないと困るの、家族のためにも絶対に合格してね!!」
…
一人は葵と茜に頼りながらもコツコツと成績を上げ
一人は強烈な危機感を抱き
一人は…
「大丈夫大丈夫、何とかなるって!」
何も知らない能天気だった
「隼人!本気で言ってるの!?自分の立場わかってる⁇」
「な、なんだよ可奈!?いきなり態度が変わってビビってるのかよ!!」
「ビビってるとかそんなくだらない理由じゃないわよ!!アンタ親から何も聞いていないの!?」
「な、何のことだよ!?何怒ってんだよ!!」
「あらあら、仲良し三人組さん大丈夫ですか?」
やっぱり塩谷家以外の子供は大したことないわね
そして一人を除いて親が背負った重荷が自分にものしかかっていることも理解している
あの二人は親とのコミュニケーションは問題ないからしっかり学べば問題なさそうね
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