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PHASE2ーひと握りの強者達ー
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しおりを挟む「えっ?」
「先生いいんですかー?家庭教師なのに授業をしなくて」
今までの家庭教師とは違う結衣の意外な言葉に優里と可奈が思わず葵との会話を遮り口早に言う
「私の役目は生徒が志望校に合格できるようにサポートすることです
ですが必ずしもそれが勉強会を開くこととは限りません
それに葵くんの言い分が慢心ではなく本当であるなら、尚更自由にしておくのが得策だと判断したまでです」
「ふうん…面白い先生じゃん!良かったね!
俺たちは自由で先生は楽してバイト代稼げて!!」
「あなた達こそ、自由にさせているのだから合格してもらわないと困りますからね!」
「先生いいんですか?実は僕がただ虚勢を張っている可能性だってあるんですよ?」
「それはないと思っています、だってあなたには目標にしている人がいるのでしょう?
そんなくだらないことをするとは思えません」
「そんな余計なことも他人に話しているのかあの人は…
まあそうですね…先生、心配しなくても大丈夫ですよ
さっきも言った通りだけど少なくとも僕と妹は両親の評価を下げるような行動はしませんよ、やり方は気に入らないけどね!
ただそれ以外の皆は本当にそのままで合格できるのかわからないけど…ハハハ!」
「えっ…葵のやつ余計なことを…」
…
時は数日前に遡り
「それにしても葵も大変だよなあ、何回追い払っても新しい家庭教師を雇われたら心にもくるって」
「ホントよねー!私達は後ろでその様子を見ているだけだから何とも思わないけど、時々不憫だな~って思うかも」
「隼人も可奈もチャチャ入れてるだけだしねー
まあいいんじゃない?後数ヶ月で終わることだし」
「優里もでしょ!」
「みんな静かにしろー!前回のテスト返すぞー」
塩谷家で共に家庭教師のお世話になっていた三人組
親との関係で合同で勉強することになったのだが葵茜のツートップに比べたら成績に不安がある生徒達だ
「…二人とも結果どうだった?」
「モヤモヤした空気が流れながらそれぞれの結果を見せ合う」
隼人 75位/150位
可奈 80位/150位
優里 30位/150位
「クラス順位真ん中だし大丈夫でしょ!」
「私もほぼ真ん中だからオッケー!てか優里また順位上がった⁇」
「そりゃ…志望校に対してならこれくらいの成績取らないとキツいからね、それよりアンタ達も進学でしょ!?そんな成績でよくポジティブでいられるわね…」
「何とかなる精神だからな!」
「そうそう、ヤバそうなら詰め込んで受験に臨むわよ」
「ハァッ、どうなっても知らないから…」
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