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PHASE2ーひと握りの強者達ー
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しおりを挟むハァ~
広々とした湯船に浸かり1日の疲れを癒す直人
仕事が終わって帰宅したらまずは湯船に浸かって仕事モードを解除するのが彼のルーティンだ
「ああ、今日も充実した1日だった…昼間の打ち合わせも順調に行きそうで午前中にこなした3件の連続オペも問題なし、入院中のVIP達とのコミュニケーションも良好で病院関係も順調、それに…」
…
「やあ、お待たせ」
その部屋には一人の少年が本を読み漁っていた
辺りには読み終えたであろう本が散らかっており、メモ用であろうノートも散らばっている
見た目からして直人の子供達よりも少し上だろう
子供から大人に変わる間の幼さが段々失われていく年頃の雰囲気を感じる
読んでいる本は医療の専門書やそれに関する論文といった内容で実技を交えないととてもじゃないが理解しきれない難解なものばかりである
「あ、父上!!お勤めご苦労様です」
「ああ、ありがとう、たまたま仕事が早く終わったからどう時間を潰そうかと思っているところに晶(あきら)くんのメッセージを目にしてね
最近はまたここでこもりっきりで勉強しているそうだけど、たまには外の空気を吸うのも学びがあると思うよ」
「いえ、義務教育を終えてからの数年で外での学びはもう充分に経験しましたのでこれ以上は僕にとっての外は穢れた空気でしかないのです…
それに…ここにいれば父上からいただいた沢山の本や論文があるので、時間を忘れるくらい没頭して無限に学べるのが魅力的で離れることができません
勿論僕は父上に負けないくらい世界を巡るお医者さんになるので、いずれは永遠と外の世界に時間を割くのは承知です!
ですが父上が迷惑と思うのでしたら…出ていきます…」
「そうかそうか、相変わらず晶くんのその知識欲の深さには驚かされるよ!昔の自分自身を見ているようだ
迷惑なんてとんでもない、君が望むならこれからも好きに出入りするといい!将来が楽しみだよ
しかし時には適度な息抜きもまた大切なことだ…
私が訪ねて来たということは、わかっているよね?」
「はい、すぐに片付けます!父上はお疲れでしょうから片付けの間にお先にシャワーをどうぞ」
「ああ、そうさせてもらうよ」
晶の言葉に甘えて直人は広々とした部屋に戻って荷物を置きシャワールームへ向かう
一方晶は先ほどの言葉を受けてからウキウキとした表情に変わり待っていましたと言わんばかりにテキパキと片付けを始めて、すぐに広々とした部屋の方へ移動する
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