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PHASE2ーひと握りの強者達ー
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しおりを挟むその日の朝
「塩谷ドクター、今日は午前中に3件のオペがありますが詰め込みすぎでは?」
「なに、オペと言っても大した内容ではないからな、私の手にかかれば造作もない」
彼は「塩谷 直人(40)」この医院では腕利きのドクターだ
アメリカの病院でその腕を買われて仕事をしている中で当院の医院長がその噂を聞きつけコンタクトを取り、最終的にヘッドハンティングしたということだ
日本全国を探しても中々見つからないその類稀なる手先の器用さと繊細さ、それに手術以外でもその豊富な知識量で隠れた病を見つける観察力や問題解決力が人一倍強い
「かしこまりました、それでは参りましょう」
こうして3件のオペをこなした後は入院患者とのコミュニケーションを取り適当な時間で業務を終えて例の集会場へ向かう
「では、お先に」
「お疲れ様でした!」
…
「いいなー塩谷さん、自由に仕事ができて昼にはさようならだからなー」
「何言ってるの!あの人は私達じゃ到底敵わない世界の人よ、今日のオペも立ち会ったでしょ?」
「うーん、確かにあの内容なら2時間はかかるオペなのに1時間足らずで終えたからな…
無駄がないだけじゃなくて常に人が動いていて3手先の動きまで出せるようにしていた
オペ前に参加メンバーで行ったシミュレーションがそれを可能にしたんだろうけど、そもそもあれが出来るのはピンポイントに悪性の腫瘍が見えている人にしかできない…」
「ホント…可能性としてそこにあるかもしれないけど、もし違った時にはそのシミュレーションは無駄になる
医院長が無理してでもうちに雇った理由がよくわかるわね」
「相当な金額を積んだらしいな…でも塩谷さんの担当する相手はVIPばかりだからそこで回収できると見込んでる医院長もビジネスの鬼だ」
「元々日本で名を馳せてアメリカに腕を買われ、更にまた日本が引っ張ってくる、そんな箔のついた絶対的な逸材だからこそ為せることよ
さ、こっちは次の患者の相手、下積み下積み!」
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