交錯する群像劇(週4更新)

妖狐🦊🐯

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PHASE1ーそれぞれの日々ー

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瞼が重い…真っ白な天井…ここはどこだ?


「…ッ」


「!!??慶太!慶太!!目を覚ましたのか!!」


息子が目覚めたことに気づきナースコールで呼び出す雄大


「うん、傷口からの感染症の心配もなさそうだから、このまま傷口が塞がるまで安静にしていれば大丈夫そうですね」

「ありがとうございます…」


傷口も思いのほか浅かったこともあり、まずはひと安心といったところだ

信也さんから連絡がきた時は信じられなかったけど、まさかこんなことになっているなんて…
本当に自分以外のことを何も見てなかったんだな…いや、自分さえも見えていなかった…







病院に到着してそのまま手術室に運ばれる慶太
手術が終わるまでの間に雄大に連絡をする

息子が帰宅していないことを知らない辺りまだ会社にいるのだろう…
月末ということで最後の追い込みをして来月からの仕事のやり方も考えていると思うが、これから向き合うべき相手が大変な状態なのだから今はそれどころではない
そう思いすぐに病院へ呼び出す信也


数十分後、血相を変えた雄大が病院に到着する


「し、信也さん!どういうことなんすか!!?
なんで息子がこんな状態に??」


混乱するよな…突然息子が刺されて病院に搬送されたなんて言われて無理もない

雄大の心情を察しながら手術がら終わるまでの間、経緯からここに搬送されるまでひとつひとつ、時折話を止めながらも詳細に話していった

話を終えて少し経つと手術は無事に終わり、慶太は個室へと運ばれる
麻酔がきれていないのでまだ目は覚ましていないがドクターの話を聞いて大丈夫と判断した信也は後のことは雄大に任せた

病院を後にして帰宅の道中に慶太の無事をリナに報告した
涙声で「良かった…」と聞こえる中、電話越しでは複数の人間の声が聞こえていたのできっといつも一緒にいたメンツだろう
これを機に自分達の過ちに気付いてくれればいいんだが…







「病院か…痛たた…」

「そうだ!本当に無事でよかった…
信也さんから話は聞いたぞ、麻酔がきれて身体が痛むと思うから今は休むことだけに専念するんだ
俺も数日は休みをとったから今日はずっとついてるからな…」

「…仕事はいいのかよ」

「ああ、ここ一年お前のことも含めて家のことをほとんど放置してたからな…
信也さんからもガツンと言われたよ」

「ハッ…」

「お前がこうなるまで気づかなかったのは俺の責任だ…謝って済む話じゃないが、少しずつ償わせてくれ」


「…」


「慶太…」


慶太はいつの間にか眠っていた
今は身体を治すことに専念してもらってそこから少しずつ関係を取り戻していこう
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