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PHASE1ーそれぞれの日々ー
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しおりを挟む「おい!リナのやつ、何か苦戦してないか?
全然オッケーのサインが出てこないし…あっ!サラリーマンが離れてくぞ!!」
「アイツ失敗したな…仕方ない、よーし少し強引だけど慶太、勇二行くぞ!!」
その言葉を合図にサラリーマンの方へ走って向かう三人
「ん?何だ…おや?あれは確か…」
彼の目には遠目だが何やら面影のある姿が目にとまったがすぐにこちらに近づいてきたのでそれが確信に変わった
「…うぇっ」
瞬時に何かに気づいた慶太はサラリーマンに接触する直前で足を止めた
「おい慶太何やってんだ!!まあいいや…
おいオッサン!!俺らの友達に何してんだよ!!」
「学生相手に変なことしようとしてんじゃねえのか??」
「怖いよ…このおじさんに連れていかれそうになったの…」
「はあっ?何言ってんの君達、そもそもその子から声をかけてきてこっちは困ってたんだよ」
「いやいやオッサン、そんなの通じると思うの?
コイツだってこんなに怯えてるじゃねぇか!!」
身体を震わせて泣いたフリをしているリナ、しっかり涙も流していて名女優ばりの演技だ
「こんなことしてタダで済むと思ってるのか?
警察に通報されたくなかったら、口止め料よこせ!!」
「口止め料って…ハァッ、俺も親父狩りされる年齢になったのか…悲しいな」
「ブツブツ独り言いってないでとっととよこせよ!」
胸ぐらを掴むヤマト
ヤマトは中学生にも関わらず身長が180cmを超えておりバスケ部ということでガタイもしっかりしている
ひ弱な人間ならこれだけで充分な圧力と恐怖を与えられるが…
「オイオイ勘弁してくれよ、こっちは早く帰りたいんだ
それよりも後ろにいるの…慶太くんだよね?ちょっとコイツらのこと止めてくれない?」
「…!?!?」
「えっ…慶太、コイツの知り合いなのか?」
「…」
「おい慶太ってば!!」
「あ、ああ…お前らとりあえず手放せ!」
その一言でサラリーマンの言うことが真実だと分かったヤマトはすぐに手を離す
そして悪い予感がしたヤマトと勇二、リナは突然走り出してバラバラに散らばって逃げ出した
慶太も逃げようとしたがワンテンポ遅れていたので逃げられなかった
「お、おいお前ら!置いてくな!」
「…慶太くん久しぶりだね、数年見ないうちに大きくなって」
「…うす、信也さんもお元気そうで」
「まだ40手前だからな、バリバリの仕事人だよ、それよりも…さっきの彼らは同級生?
君もこうやって親父狩りみたいなことしてるのか?」
「…うぅっ」
「その様子だとお父さんと上手くいってないみたいだね…アイツも仕事が忙しいから中々時間をとってあげられないんだ…悪く思わないでやってくれ」
「…ッ!!信也さんもアイツの肩を持つんすね…結局大人は皆同じことしか言わないのかよ!」
そう言い放った慶太はそのまま走り去っていったので、信也はしまったと思いながら段々小さくなっていく背中を見ていた
「あちゃ…やっちゃったか…」
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