交錯する群像劇

妖狐🦊🐯

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PHASE1ーそれぞれの日々ー

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補導をされるこの時間帯にワラワラと学生達が徘徊をしている



ほらっ!アレとかいいんじゃね?


リーマンだけど金持ってそうだよな!


よーし、慶太、勇二行くぞ!!


…おう





「ん?あれは確か…」


珍しく仕事が遅くまで立て込んだ彼の目には遠目だが何やら面影のある姿が目にとまった











「やあみんなお疲れ!」


「部長お疲れ様です!本部の会議はどうでしたか?」

「滞りなく済んだよ、それと報告もあるんだが林は…出先か?」

「いえそれが…先ほど息子さんの通う学校から連絡があったそうで一旦抜けているみたいです」

「そうか、わかったありがとう」


学校からの連絡…やっぱり息子さんと上手くコミュニケーションが取れてないんじゃ…







「どういうことなんだ…進路希望が白紙だなんて」

「 …(無言)  」

「黙ってないで何とか言えって!!!」

「ま、まあまあお父さん落ち着いて」


校長室での四者面談


「うむ…この時期に進路の目標がないのは…まだ中学生ではあるから、ひとまず近隣の学校を受験してから考えるのも手だとは思うんだが…慶太くんはどうしたいのかね?」

「 …(無言)  」

「こうしたいとか何かやりたいことはないのか?
わざわざこんな進学校にいるのだから何も考えずに生活してるわけじゃあるまいし」

「…っるさい」

「何だ?」

「うるさいって言ってんだよ!!仕事か何かわかんないけど、平日は全然いないし土日もほとんど自分の趣味ばっかり!!
俺のことなんて何にも考えてないじゃないか!!」

「はあっ?こっちは毎日夜遅くまで頑張ってんだ!!毎日飯も食えて暖かい布団で眠れてるのは誰のおかげだと思ってるんだよ!!
こんなに頑張ってるのに休みの日のことにも口を出すんじゃない!!」


仕事の疲れが溜まっているのか、威圧的になって我が子にぶちまける雄大

「そんなこと言われても知らねえよ…俺のせいかよ…俺がいるから自分だけ苦労してるって言いたいのかよ…!!」

拳をギュッと握り怒りに身体を震わせながらも涙ぐむ慶太

「まあまあ二人とも落ち着いて!!今日は一旦うちに帰って、ゆっくりと話をする時間を…」

「先生…何を言ってるんですか??私は仕事を抜けてこちらに伺ってるのですよ!?
私が仕事をとめていることでどれだけの人に迷惑をかけているのかお分かりですか!?
呼び出した理由がこんな内容だけでしたら私は会社に戻ります!!」


無駄な時間を取らされたと言わんばかりにスタスタとその場を去った雄大


「校長先生どうしましょう…これは結構重大な問題です…」

「うむ…そうだな、どちらかと言うとお父さんが慶太くんとコミュニケーションをとることを避けているようにも思えるのが…慶太くん、もう少し話をさせ…」


バタン


「…ダメか、あの様子じゃ無理もないか…」



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