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魔族の国のショウ×ルイのその後
ルイ1
しおりを挟むカグラの契約精霊のミミから、僕の契約精霊のベルに連絡があった。
カグラの下僕となったドラゴン族のイアンが青龍と契約したらしい。
やっぱりね。カグラが連れて来て、カグヤ様が鍛えたんだから成功しないはずがない。そこにジュン様までアドバイスしたりしてるんだから。
そしてイアンの母であるエリン様がカグヤ様に会いに来たいと言っているらしい。このエリン様はドラゴン族のカグヤ様みたいな方のようなので、似たような二人が会うとどうなる事やら・・・
その話をショウと二人で魔王様とシグ様に伝え、みんなで頭を抱えた。
まぁ、考えても仕方がないと当たり前の結論で解散。
僕とショウは自分たちの執務室に戻り、今日の仕事と、勉強を終わらせる。
カグラが魔王候補を辞退したので、僕とショウの二人で魔王教育と雑務をこなしているんだ。
僕たちは十五歳になった。
この世界は、アスラ様が前世で書いた小説が元となっており、続きを書かせてもらっていた僕の設定通り、ショウが魔王になるべく動いている。
けど、それは大まかな設定だけであって、日々起こる出来事は、この世界が今の僕の現実である事を否応無しに分からせてくれる。
だって、ドラゴンにも契約精霊がいるなんて設定ないからね?!
これからもいろんな事件が起こるんだろう。そしてそれは主にカグラによって引き起こされるんだ。
僕とショウは夕飯を食べながら、今日の話をする。
ショウが言う。
「しかし、ほんの三ヶ月程で魔族の国の状況もガラッと変わったな。カグラの所為で。」
「そうだね。まさかドラゴン族と和解するとはね。」
「和解と言うか・・カグラが力でねじ伏せただけなんだがな。
イアンがカグラに絶対服従して、そのイアンの妹のミランと親友になる。で、イアンとミランに契約精霊が出来る・・そんな上手い話あるか?
しかもミランは次期ドラゴン族の長的存在だろ?イアンとミラン以外のドラゴンが精霊と契約したなら魔族の国の脅威になった案件が、逆に見事にこちらの立場を強固にしている。」
「まぁ、それがカグラだよ。カグヤ様もジュン様も自由奔放にしてきた事が全て魔族の国の利益になってるじゃない。
あの三人に理屈は通らないよ。」
「分かってはいるが・・・納得いかないというか、何か悔しいんだよな。好き勝手に生きてる癖にって。」
「気持ちは分かるけどさ、ショウはカグラみたいに自由に生きたいの?魔王なんかになりたくない?」
「いや、そう言うわけではないんだが・・・」
「僕は、カグラみたいに自由に行動したいとは思わないよ?僕はここで、ショウの横でこの国を支えて行きたいから。
カグラが行動する事によって、この国が良くなるんだったら万々歳だよ。
そりゃ、たまに想定外すぎてびっくりするけどさ。」
ショウが食べる手を止めて僕を見つめる。
「どうしたの?」
「・・いや、何か上手く言えない。ルイ、食事が終わったら完全憑依して繋がっていいか?」
えっ?!それって・・完全憑依してヤルって事だよね?
僕とショウは、僕の十五歳の誕生日に結ばれている。お互いにずっとずっと思い合っているから、いつそうなっても良かったんだけど、ショウが受け入れる側の僕の体を心配して成人するまで待ってくれたんだ。
まぁ、もちろんそれまでにも最後まではせずにいろいろしてたんだけど・・・
けど、完全憑依してはまだ経験がない。
聞くところによると、肉体的な快感に精神的な快感が加わるからすごいんだって!しかも相手と完全に同調するから、相手の感情や思いが全て分かるらしい。
「オレ、上手く言えないけど、本当にルイに感謝してるんだ。カグラの事は羨ましいとかそんなんじゃなくて・・いや、多少は羨ましいのかな?
けどそれ以上にルイとここで居れる事が大事なんだ。その気持ちを分かって欲しいから・・・ダメかな?」
もうっ!そんな事言われて断れるわけないじゃん!!
僕はその願いを受け入れた。
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