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番外編 前世のショウ×ルイのその後

ルイ3

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 ショウと付き合うようになって約三ヶ月。あれからショウはずっと僕に甘々で、約束通りすごく優しい。
 
学校でも公認のカップル扱い。ウチの学校って、昔キョウさんとアスラ先生が在学中に付き合う事になった際に、同性カップルに優しい環境になるよう、シグさんが暗躍したんだって。
それが今でも続いているのですごく過ごしやすくて助かってる。この校風?は、同性カップルがわざわざ受験して来るくらい有名になってるみたいだ。


 先日、僕は十六歳の誕生日を迎えた。もちろんショウにお祝いしてもらったよ。二人でデートしてご飯を一緒に食べて、誕生日プレゼントにお揃いのネックレスをもらったんだ。名前が入ったダブルプレート付きのシルバーネックレス。それからは毎日着けてる。

その十日後にはショウとカグラの誕生日。この日はショウとカグラの家にお呼ばれして、風間家のみなさんと一緒に二人をお祝いした。カグヤさんがショウの大好物のメンチカツと、カグラの大好物のロールキャベツを作ってくれてて、二人とも大喜びだったよ。
もちろん僕もプレゼントを用意した。ショウには財布とギターのピックセット(あのMAGのライブ後からショウはギターを始めたんだ)、カグラには高級チョコレート(一番喜ぶから毎年これw)。

 そしてその次の日、僕の誕生日から十一日後、僕たちが初めて出会い、運命の恋に落ちた日・・今日、僕はショウにすべてをあげるつもりだ。

ちょうど夏休みに入っているし、隣の県の海の近くにある父さんの会社の保養所に、ショウと二人で行くんだ。
子どもの頃から何度も行った事がある場所。保養所って言っても、契約保養所で、温泉がある旅館に低料金で泊まれるって感じなんだけど。

許可してくれた父さんと母さんに感謝。
親の脛を齧るみたいで肩身が狭いけど正直かなり助かる。

高校生二人でホテルに泊まるのには、親の承諾書がいるからね。僕の親もショウの親も書いてくれるだろうけど、それもちょっと気が引ける。だって、いかがわしい事をしませんっていう意味で承諾書がいるのに、おもいっきりそれ目的だから・・・

普通は保養所でも高校生だけってのはあまり歓迎されないんだろうけど、一応父さんは社長だからね。父さんの名前で大丈夫だったみたい。

そんなこんなで、僕とショウは二人で電車に乗って保養所までやって来た。
海まで徒歩五分の場所にある旅館は、昔ながらの温泉宿だ。部屋に案内してもらい、荷物を置く。

実はショウも何度かここに来た事がある。ウチとは家族ぐるみで仲が良いし、ショウのお祖父さんのジュンさんは、父さんの会社の社員だからね。

けどその頃のショウは僕に意地悪だったし一緒に仲良く遊んだ記憶はない。カグラやリン兄と遊んだな。

だから今日は、昔に出来なかった事もいっぱいするんだ。泳いだり、砂で城を作ったり、かき氷食べたり!夜になったら花火もしたいな~で、その後は・・・

「お~い、ルイ?何考え込んでんの?」

「ん?今からショウとしたい事!」

「えっ?もう今からしていいの?」

そう言ってキスをしようとするショウ。

「ちょ、ちょっと待って??僕は前に出来なかった事をしたいの!海で泳いで砂遊びして、かき氷食べるんだから!!」

「プッ、分かってるよ。冗談・・だけど半分は本気かな?オレは今からでもルイを抱きたいから。」

顎クイしたままそんな事を言わないで?!僕も危うく流されそうになってしまうよ・・

「そんな顔してたらマジで今からがっつくぞ?ほら、海行こうぜ。」

「もうっ!ショウのせいじゃん・・」

僕は怒りながら海パンに着替え、海に持って行く荷物をまとめる・・何かショウの視線が痛い??

「・・ルイ、海で上半身裸になる気?」

「へっ?僕、肌が弱くて日焼けすると真っ赤になるからラッシュガード持って来てるよ?日差しがキツ過ぎたら着ようと思って。」

「お願い、それ来て?オレ、ルイの裸を他のヤツに見せたくない。Tシャツ着てても濡れて張り付いたらオレの理性が持たないと思うし。」

「はぁっ?・・うん、まぁ、分かった。ラッシュガード着るよ。あっ、ネックレスは外して行こうか?海水で変色したら嫌だし。」

お互いのネックレスを外しあって、持って来ていたケースに入れ、カバンの中に片付ける。ちょっと首が寂しい。

こうして僕たちはようやく海に向かった。


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明日は更新出来ないと思います(汗)。

後二話で番外編も完結予定ですが、終わるかな…一話一話が長くなりそうです。


ルコ

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