次代の魔王は生まれた翌日運命の恋に落ちる

ルコ

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番外編 前世のショウ×ルイのその後

ショウ1

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 もう、幸せすぎて言葉が出ない。

ルイとキスして、お互いファーストキスで、ルイもオレ以外とは付き合う気はなかったって聞いて・・・

一度抱きしめてからは離したくなくて、今までの隙間を埋めるかのようにピッタリと体をひっついている。

「ちょ、ちょっとショウ?ここ外だし流石にそろそろ人が通るかもしれないから・・」

「オレ、誰に見られても構わないんだけど?」

真っ赤になるルイが可愛い。

「もう、ショウ、いきなり甘々になりすぎだよ!僕ついていけないよ・・」

「今までの分も優しくするって言っただろ?これでも抑えてるんだからね?」

「・・そろそろ帰らないとカグラに怒られるんじゃない?下手したら迎えに来そう。」

「あ~うん、来るかもなぁ。はぁ、しょうがねぇ今日は帰るか。ルイ・・」

最後にもう一度キスをする。

「ん、んんっ!!!・・もう・・・やっぱりキス上手すぎない?」

「それは、オレが何回もルイでシュミレーションしてたからじゃね?」

「えぇっ?ちょっと引くんだけど・・」

「ははっ、それだけルイが好きだったの!もちろんその先もシュミレーション済みだけど?」

「へ、ヘンタイ!!」

「ヘンタイはねぇだろ?こんなにルイが好きなのに。ルイはオレとそういう事するの想像したりしてくれないの?」

ルイが真っ赤になって俯く。

「してくれてるんだ。嬉しいなぁ。」

「もうっ!ショウのバカっ!!」

キレても可愛いってどういう事だろう?

あぁ、どうしてオレはこんなに可愛いルイを長年放置していたんだ?昨日までのオレをぶん殴ってやりたい。

「なぁ、ルイは本当のところオレの今までの態度をどう思ってた?何言われても怒らないし、きちんと反省するから教えて欲しい。」

「えっ?う~ん、正直小さい頃は悲しかったな。何で意地悪されるのか分からなかったし。僕はショウと仲良く遊びたいのにって。
で、小学校の高学年くらいからは話しかけてはくれないけど、時々僕を見てくれてたでしょ?だから、僕の事を意識してくれてる?もしかしたら好きでいてくれてる?意地悪したのも僕の事が好きだったから?ってちょっとは思ったんだけど・・・
自分に自信がないし、希望を持ちすぎてそれが勘違いだったら立ち直れないから、その思いは封印してた。」

自分から聞いたものの、いたたまれなくて仕方がない。オレはどれだけルイを傷つけたんだろう。

「分かってたけど、もう本当に申し訳なくて死にたいくらいだわ。」

猛省中なオレ。

「もういいよ。これから優しくしてくれるんでしょ?」

ぐぅっ!コイツ本当に可愛いな。ヤバい。理性、理性、がんばれオレの理性!

「お、おぉ!じゃあ、帰るか。」

オレはルイの手をとり、公園を出て家の方向に歩き始めた。はぁ、このままどこかに連れ込みたい・・・けど、流石に今日は無理だな。カグラの激怒した顔が目に浮かんだ。怖っ!!

ルイを家まで送り届け、もう一度軽くキスをして別れる。離れたくなかったけど仕方がない。明日の朝、一緒に学校に行く約束もしたしな。

 家に帰ると玄関でカグラが仁王立ちしていた。

「うっわ?!びっくりした。何だよ?」

「今帰ったってルイからメッセージが来たから、もう帰って来るだろうと思って待ってたのよ。で?早速盛ったりしてないでしょうね?ん~キスまでなら許す。」

「失礼だな!盛るとか言うなよ。て言うかカグラに許してもらう必要ないし。」

「小さい頃からショウにいじめられて泣いてるルイのフォローを、どれだけあたしがしてあげたと思ってんの?」

「それは悪かったと思ってるよ。けど、ここから先はオレとルイ、二人の事だから。二人の未来に口出ししないでくれ。頼む。」

「ふうん。言うじゃない。なら口出ししないであげる。けど、ルイがあたしを頼って来たら100%ルイに付くわよ。で、次にルイを泣かせたらマジで母さんと一緒にシメるから。」

あ''~それは怖いって言うかオレ軽く死ぬだろ・・・まぁ、この先絶対ルイに悲しい涙は流させないつもりだから大丈夫だ。多分。

 こうしてオレとルイは、生まれて十五年経ってやっと付き合うようになったんだ。





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