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番外編 前世のショウ×ルイのその後
ルイ2
しおりを挟むショウも隣に座る。
「はぁ、ルイ。今までごめんね?オレずっと素直になれなくて・・でもずっと好きだったんだ。多分生まれた翌日にルイに会ってからずっと・・・」
えっ?ちょっと待って??それって僕が書いてる小説通りじゃない?
ショウとカグラが生まれた翌日に、同じ産婦人科を退院したばかりの母さんと僕がお見舞い?に行ったら、まだ目も見えていないはずのショウが僕をずっと見てた。って聞いて・・小説のタイトルを「次代の魔王は生まれた翌日運命の恋に落ちる」にしたんだ。
願望を込めて。
更にショウが言う。
「オレ、本当に物心つく前からルイが好きなんだよ。その感情が一番最初の記憶。なのに、だんだんと素直になれなくなって・・ルイがカグラと喋ってるだけでムカついたり・・・オレだけ見てくれたらいいのにって。」
「それを拗らせすぎて、十五年も経っちゃったけどオレ、本当にルイだけが好きなんだ。だから・・・オレと付き合ってくださいっ!!」
涙が込み上げて来てがまん出来ない。
「うん・・これから優しくしてくれるなら・・・いいよ。」
「本当にっ?!!もちろんだよ!今までの分もめちゃくちゃ優しくするから!!ありがとうルイ。」
抱きしめられて、涙を唇で吸われる。
ちょ、ちょっと待って?!いきなり甘過ぎて感情が追いつかない。しばらく硬直した後、一気に顔が赤くなってショウから逃れようとするも、更に強く抱きしめられる。
「ははっ!この腕の中にルイがいるなんて夢みたいだ。」
僕の頬に温かい液体がポタリとかかったので、驚いて顔を上げるとショウの目尻からも涙がつたっていた。
「ショウ・・・」
何だかショウの事が愛おしくて堪らない。僕は指でそっとショウの涙を拭った。
しばらくお互いに見つめ合い、自然と唇をかさねる。
軽く啄むようなキス。優しく何度も何度もチュッ、チュッっとキスをされ、うっとりとしていると、ショウの舌が僕の歯列をつつく。おずおずと口を少し開くと、舌が滑り込んで来た。
僕の口の中をショウの舌が動きまわる。上顎や、頬の内側を舐められ、舌を絡められ、息が出来なくなった僕から変な声が漏れる。酸欠で頭がクラクラして来た。
「ん、んふぅ・・・」
僕はショウの胸の辺りを叩いて抗議する。そんな僕を軽くいなして口内を貪り続けるショウ。しばらく堪能され、やっと唇を離してくれた。
「はぁ、はぁ、ショウ、息が出来なくて苦しい・・・」
「鼻で息をするんだよ。」
「そんな器用な事いきなり出来ないよ。僕初めてだったのに・・・」
「ごめんね?がまん出来なかったんだ。はぁ~ルイのファーストキスをもらえて幸せ・・良かった、間に合って。」
「間に合うって何?」
「そろそろ誰かにルイを取られるんじゃないかって焦ってたんだよ。だから、ファーストキスに間に合ったなって。」
「僕、ショウ以外の人と付き合う気なんかなかったのに・・・」
すごく驚いた表情のショウ。何でそんなにびっくりしてるの?
逆にどうして僕が誰かに取られるとかって思ったんだろ?
「ショウは初めてじゃないの?何かすごく手慣れてない?」
「はっ、初めてだよっ!当たり前だろ?!オレがキスしたい相手なんてルイしかいないから!!そ、それよりルイ、オレ以外の人と付き合う気がなかったって本当?オレ、嬉しくて倒れそうなんだけど。」
「倒れられたら僕、ショウを運べないよ?」
こういう軽口を返せるのが嬉しい。
あぁ、今日は最高の一日だな。
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