次代の魔王は生まれた翌日運命の恋に落ちる

ルコ

文字の大きさ
上 下
16 / 25
番外編 前世のショウ×ルイのその後

ルイ2

しおりを挟む

 ショウも隣に座る。

「はぁ、ルイ。今までごめんね?オレずっと素直になれなくて・・でもずっと好きだったんだ。多分生まれた翌日にルイに会ってからずっと・・・」

えっ?ちょっと待って??それって僕が書いてる小説通りじゃない?

ショウとカグラが生まれた翌日に、同じ産婦人科を退院したばかりの母さんと僕がお見舞い?に行ったら、まだ目も見えていないはずのショウが僕をずっと見てた。って聞いて・・小説のタイトルを「次代の魔王は生まれた翌日運命の恋に落ちる」にしたんだ。
願望を込めて。

更にショウが言う。

「オレ、本当に物心つく前からルイが好きなんだよ。その感情が一番最初の記憶。なのに、だんだんと素直になれなくなって・・ルイがカグラと喋ってるだけでムカついたり・・・オレだけ見てくれたらいいのにって。」
「それを拗らせすぎて、十五年も経っちゃったけどオレ、本当にルイだけが好きなんだ。だから・・・オレと付き合ってくださいっ!!」

涙が込み上げて来てがまん出来ない。

「うん・・これから優しくしてくれるなら・・・いいよ。」

「本当にっ?!!もちろんだよ!今までの分もめちゃくちゃ優しくするから!!ありがとうルイ。」

抱きしめられて、涙を唇で吸われる。
ちょ、ちょっと待って?!いきなり甘過ぎて感情が追いつかない。しばらく硬直した後、一気に顔が赤くなってショウから逃れようとするも、更に強く抱きしめられる。

「ははっ!この腕の中にルイがいるなんて夢みたいだ。」

僕の頬に温かい液体がポタリとかかったので、驚いて顔を上げるとショウの目尻からも涙がつたっていた。

「ショウ・・・」

何だかショウの事が愛おしくて堪らない。僕は指でそっとショウの涙を拭った。

しばらくお互いに見つめ合い、自然と唇をかさねる。

軽く啄むようなキス。優しく何度も何度もチュッ、チュッっとキスをされ、うっとりとしていると、ショウの舌が僕の歯列をつつく。おずおずと口を少し開くと、舌が滑り込んで来た。

僕の口の中をショウの舌が動きまわる。上顎や、頬の内側を舐められ、舌を絡められ、息が出来なくなった僕から変な声が漏れる。酸欠で頭がクラクラして来た。

「ん、んふぅ・・・」

僕はショウの胸の辺りを叩いて抗議する。そんな僕を軽くいなして口内を貪り続けるショウ。しばらく堪能され、やっと唇を離してくれた。

「はぁ、はぁ、ショウ、息が出来なくて苦しい・・・」

「鼻で息をするんだよ。」

「そんな器用な事いきなり出来ないよ。僕初めてだったのに・・・」

「ごめんね?がまん出来なかったんだ。はぁ~ルイのファーストキスをもらえて幸せ・・良かった、間に合って。」

「間に合うって何?」

「そろそろ誰かにルイを取られるんじゃないかって焦ってたんだよ。だから、ファーストキスに間に合ったなって。」

「僕、ショウ以外の人と付き合う気なんかなかったのに・・・」

すごく驚いた表情のショウ。何でそんなにびっくりしてるの?
逆にどうして僕が誰かに取られるとかって思ったんだろ?

「ショウは初めてじゃないの?何かすごく手慣れてない?」

「はっ、初めてだよっ!当たり前だろ?!オレがキスしたい相手なんてルイしかいないから!!そ、それよりルイ、オレ以外の人と付き合う気がなかったって本当?オレ、嬉しくて倒れそうなんだけど。」

「倒れられたら僕、ショウを運べないよ?」

こういう軽口を返せるのが嬉しい。

あぁ、今日は最高の一日だな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

Snow Burst~出逢ったのは、大学構内でもなくライブ会場でもなく、雪山だった~

夏目碧央
BL
 サークル仲間とスキーにやってきた涼介は、超絶スキーの上手い雪哉と出逢う。雪哉が自分と同じ大学のスキー部員だと分かると、涼介はその場でスキー部に入部する。涼介は、良いのは顔だけで、後は全てにおいて中途半端。断るのが面倒で次々に彼女を取り替えていた。しかし、雪哉と出逢った事で、らしくない自分に気づく。  雪哉はスキーが上手いだけでなく、いつもニコニコ笑っていて、癒やし系男子である。スキー部員の男子からモテモテだった。スキー合宿から帰ってきた後、涼介の所属するアニソンバンドがライブを行ったのだが、そこになんと雪哉の姿が。しかも、雪哉は「今日も良かったよ」と言ったのだ。前にも来たことがあるという。そして、何と雪哉の口から衝撃の「ずっとファンだった」発言が!

社畜サラリーマン、異世界で竜帝陛下のペットになる

ひよこ麺
BL
30歳の誕生日を深夜のオフィスで迎えた生粋の社畜サラリーマン、立花志鶴(たちばな しづる)。家庭の都合で誰かに助けを求めることが苦手な志鶴がひとり涙を流していた時、誰かの呼び声と共にパソコンが光り輝き、奇妙な世界に召喚されてしまう。 その世界は人類よりも高度な種族である竜人とそれに従うもの達が支配する世界でその世界で一番偉い竜帝陛下のラムセス様に『可愛い子ちゃん』と呼ばれて溺愛されることになった志鶴。 いままでの人生では想像もできないほどに甘やかされて溺愛される志鶴。 しかし、『異世界からきた人間が元の世界に戻れない』という事実ならくる責任感で可愛がられてるだけと思い竜帝陛下に心を開かないと誓うが……。 「余の大切な可愛い子ちゃん、ずっと大切にしたい」 「……その感情は恋愛ではなく、ペットに対してのものですよね」 溺愛系スパダリ竜帝陛下×傷だらけ猫系社畜リーマンのふたりの愛の行方は……?? ついでに志鶴の居ない世界でもいままでにない変化が?? 第11回BL小説大賞に応募させて頂きます。今回も何卒宜しくお願いいたします。 ※いつも通り竜帝陛下には変態みがありますのでご注意ください。また「※」付きの回は性的な要素を含みます

合鍵

茉莉花 香乃
BL
高校から好きだった太一に告白されて恋人になった。鍵も渡されたけれど、僕は見てしまった。太一の部屋から出て行く女の人を…… 他サイトにも公開しています

学園の天使は今日も嘘を吐く

まっちゃ
BL
「僕って何で生きてるんだろ、、、?」 家族に幼い頃からずっと暴言を言われ続け自己肯定感が低くなってしまい、生きる希望も持たなくなってしまった水無瀬瑠依(みなせるい)。高校生になり、全寮制の学園に入ると生徒会の会計になったが家族に暴言を言われたのがトラウマになっており素の自分を出すのが怖くなってしまい、嘘を吐くようになる ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿です。文がおかしいところが多々あると思いますが温かい目で見てくれると嬉しいです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

暑がりになったのはお前のせいかっ

わさび
BL
ただのβである僕は最近身体の調子が悪い なんでだろう? そんな僕の隣には今日も光り輝くαの幼馴染、空がいた

組長と俺の話

性癖詰め込みおばけ
BL
その名の通り、組長と主人公の話 え、主人公のキャラ変が激しい?誤字がある? ( ᵒ̴̶̷᷄꒳ᵒ̴̶̷᷅ )それはホントにごめんなさい 1日1話かけたらいいな〜(他人事) 面白かったら、是非コメントをお願いします!

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

処理中です...