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エピローグ

ルイ

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 あれから僕は、まぁ普通に暮らしている。父さん、リン兄、コウ兄にはかなり心配されたけど、母さんが「ルイは、魔王候補としてしっかりしなきゃって自覚をしたのよ。」って事で押し通した。

僕は僕だし、いつまでも可愛い赤ちゃんみたいなルイじゃないんだって一応納得?してくれたみたい。コウ兄は「オレの天使がぁっ!」ってうるさいけど、リン兄がシメてくれてる。


 そして今日から魔族学校に入学する。僕はショウとカグラとともに、次代の魔王候補として注目を浴びまくりだ。
すでに契約精霊を連れているのも、僕たち以外では数人程度。その数人も、まだ完全憑依は出来ないみたいだった。

前世と違い、学校生活はすこぶる快適。ショウが素直で優しいだけでこんなに変わるんだね。何と言うか、毎日がめちゃくちゃ楽しい。
勉強して、魔法も学んで、鍛錬して、遊んで・・全部ショウとカグラと一緒だ。もちろん他にも友達はいる。

前世ではカグラとだけだったからね。他の友達も一緒いたけど、心から気を許せる親友は出来なかった。小さい頃はショウと親友になりたかったんだけどな。
それがだんだんと恋心に変わっていって・・

でも、ショウは意地悪はしなくなったけど、話しかけてもくれなかった。たまに視線を感じて振り向くと、ショウと目が合うから僕を気にしてくれていたとは思うんだけど。何も言ってくれないし僕も自分に自信がなかった。

だから、アスラ先生が書いた異世界小説に飛びついたんだ。素直で、僕にも優しいショウを書くのは楽しかったな。そして今は現実も楽しい。

「ルイ、なにを考えてるの?」

「ん?今が楽しいなぁって。」

「そう、ならよかった!ルイが楽しいとおれも楽しいよ。」

ショウが微笑み、ベルとマルがじゃれあっている。ほんと、幸せだなぁ。

アスラ様ともあれから何度か話したんだけど、この後もあの異世界小説の続きを書いた子が生まれて来るかもねって。想像したら楽しい。

あれからの僕はショウと付き合えたんだろうか?あのまま何もなく大人になって、僕は普通に女の子と結婚してたりして。悲しいけどそれもありえる未来だな。で、僕の子がこの小説の続きを書くとか?

前世の未来は分からないけど、この世界での未来は僕たちが作って行く。

多分、僕が書いた通りショウが魔王になるだろう。そして僕は王妃になるのかな?あんまり想像出来ないけど。そこまでは書いていなかったんだ。

もしそうなったなら、全力でショウを支えていこう。僕はショウが好きだし、ショウも僕を好きでいてくれる。


そこには幸せしかないよね?


前世の未来は分からないけど、僕はこの世界で・・・生まれて数日後に次代の魔王と運命の恋に落ちたんだ。



「次代の魔王は生まれた翌日運命の恋に落ちる」    完


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ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。

短いですが、ちょっと書きたい事が分からなくなって来たので、頭の中を整理するため一旦終了します。

異世界でのショウとルイが、十五歳くらいまで大きくなる成長記録的な話が書ければ・・と思っていたのですが(汗)。

なんか、王子ちゃんシリーズのみんなの未来を紹介しただけになってしまった感…前世の説明も多くてすみません。
新作にせず、前作か前々作の続きに書けば良かったかな?とか…

お詫びと言ってはなんですが、この後の番外編として前世のショウ×ルイを数話公開します。えちえちまでいけるかなw?

その後、方向性が決まり、何か書ければ更新致しますので、その際にはよろしくお願いいたします。


ルコ
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