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ショウとルイ

ルイ2

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 魔王城から瞬間移動で僕の部屋に帰って来た。もちろんショウとマルも一緒だ。

「ルイ、ちゃんと話してくれるよね?だっておれとルイはしょうらいけっこんするんだから!ふうふの間にかくしごとはなしだよ?」

うっ!どうしよう・・そんな目で見られたら嘘つけないよ・・・

「えっと・・難しい話だし、多分話しても信じてもらえないと思うから・・・」

「信じるよ!おれはルイを信じる。おれを信用して?むずかしくてもぜったいりかいする!!」

そこまで言われたら隠し通すのは無理だ。
ベルとマルにも他の精霊と繋がらないように頼む。精霊同士が繋がっていると意識が共有される。離れていても同じように見たり聞いたり出来るんだ。もっとも深いものは性的な繋がりだけど、友達や家族と単なる連絡用に念話っぽく使う事も出来る。

僕は五歳の誕生日に前世を思い出した事、アスラ様にもその記憶がある事、その前世でアスラ様が書いた小説と、この世界がほぼ同じである事、その小説の続編を僕が書いていて、今の僕たち次代の魔王候補はその話に出て来る事などを話した。

「ふうん・・ルイはそこで十五さいだったの?そのきおくを思い出したからそんなに大人っぽくなったの?」
 
「うん。そういう事かな。」

「そこでおれとルイはけっこんしてた?だって十五さいだったんだよね?」

「えっ?!いや、その前世の世界では成人は二十歳からだったし・・そんなに早く結婚しない人の方が多くて・・・」

「じゃあこいびとだった?おれもその世界にいたんだよね?ルイといっしょにいたんだよね?」

「いや、あの、その・・まだ付き合う前って言うか・・・」

「その世界のおれはなにしてるの?!!はやくルイをつかまえておかないとだれかにとられちゃうじゃん?!!!」

「そ、そんな事ないよ!僕そんなにモテなかったし・・ショウにもそこまで好かれてたか分からな・・・」

「なに言ってんの??!!おれがルイをすきじゃないわけないからっ!!どんな世界にいてもぜったいにおれはルイをすきになるからっ!!!」

「えっ~っと、それは僕がショウをそういうキャラにしちゃったからのような気がしてて・・なんかごめん。」

「どうしてルイがあやまるの??」

「・・あのね、前世のショウは今ぐらいの歳の頃、意地悪だったんだ。多分、僕の事を好きでいてくれたとは思うんだけど、好きだから意地悪してしまうタイプだったんじゃないかな?
でもね、僕はそれが悲しかったから・・小説の中のショウは、僕に優しい、自分の気持ちに素直なキャラにしたんだ。それが今のショウ。だから・・僕がそう書いたから、前世のキャラと違ってしまって申し訳ないと言うか・・・」

「なに言ってるの?!おれはルイにぜったいいじわるなんかしないよっ??!なにそのぜんせ?のおれ?さいていじゃん。ルイ、そんなヤツわすれていいよ。この世界で今のおれとしあわせになろう?!
ぎゃくにありがとうだよ。そんないやなヤツにならないですんだんだ。ルイ、おれを今のおれにしてくれてありがとう!!」

「えぇっ?!そうなるの??それでいいの??!」

「いいに決まってるじゃん。それと、ちゃんとりかいしたし信じたからね?だから安心していいよ。おれは今のおれでよかったし。どんなルイもすきだ。ほかに不安なことはある?」

「う~んと、その十五歳の記憶もあって、前みたいに無邪気なルイには戻れないから・・・ショウはどんな僕でもいいって言ってくれたけど、みんなも不思議に思うよね?父さん母さん、リン兄にコウ兄、カグラ、誰にどこまで話すべきだと思う?
あっ、アスラ様は魔王様とリイ様、レイ様、アスラ様のお母様にしか話してないらしいんだけど。」

「う~ん、えっと、そうだなぁ・・母さんたちと、カグラにはかくしとおすのはむりだと思う。父さんたちにはべつに言わなくてもだいじょうぶじゃないかなぁ?」

「そ、そうかな?ちょっと父さんたちが可哀想な気もするけど・・確かに母さんたちとカグラには隠せないよね。」

ショウの意見に全面的に賛成して、母さん、カグヤ様、カグラの三人とその契約精霊たちには話す事にした。
早速ショウが瞬間移動で、カグヤ様とカグラを迎えに行って来れる。

ふうっ!この世界のショウは優しいだけじゃなく、全面的に僕を信用してくれてて、どんな僕でも好きでいてくれる。最高じゃない?

まだ五歳だけどね。
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