【完結】山狼族の長はツンデレ黒猫を掌中に収める

ルコ

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番外編 元祖破天荒と新破天荒

アスミ6*

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 こうして、山狼族が招待する初めての交流ハイキングは終わった。

ジュン様、リュウセイ、ルイは瞬間移動出来るので帰りの案内はいらない。人一人は余裕で運べるみたいだから、レン様とトワの心配もない。

みんなが帰った後、山狼族も集落へと戻り、俺はケンショーさんに連れられツリーハウスへと瞬間移動した。

そろそろ晩御飯の時間だけど、今日は用意をしなくても、ルイが持って来てくれたお弁当の残りがマジックバックに入っているので、お腹が空けばいつでも食べられる。
 
なので、とりあえずお茶を淹れてケンショーさんに今日のお礼を言った。

「お疲れ様!ケンショーさん、今日はありがとう。トワもリュウセイも、それにルイもすごく喜んでたよ。
しっかし、ジュン様とカグラにはびっくりしたなぁ。あんなライブ即興で出来る?めちゃくちゃカッコよかったよなっ!」

ハイキングコースに二の滝を入れたら?と提案してくれたのはケンショーさんだ。普段隠蔽魔法をかけている聖域は無理だと諦めていたのに、許可してくれたんだ。

「・・・あぁ、ライブはすごかった。正直感動したよ。
しかも、後で長老とヨシにバレたら絶対にキレられると覚悟してたのに、まさか二人とも大喜びするとはな」

いくら麓とはいえ聖域に山狼族以外を入れるのは、長老はもちろん山への信仰が厚いヨシさんにも反対されると思って言わなかったんだよね。一応、ハイキングには誘ってみたけど拒否されたし、じゃあ内緒にしとこう、って。

「ルイが言ってたけど、ジュン様とカグラ、後カグラのお母さんのカグヤ様は、好き勝手に生きてるだけであんな感じに、やる事なす事すべてがいい方向に転がるんだってさ。
最近の魔族の国の急速な発展には、ほとんどあの三人の誰かが絡んでるらしいよ?」

「うはは!最高だな。やっぱおもしれぇわ。簡単に山と繋がりやがったし、本当に規格外なヤツらだったな」

「今まで完全憑依して歌う事なんて、なかったみたいなのにな。無意識で完全憑依して山と繋がったって事だろ?ありえねーわ。俺もまだ数回しか山と繋がった事ねーのに」

そう、俺が山と繋がれるのは完全憑依してヤリまくった時だけ。だから無意識に山と繋がったジュン様とカグラの事が羨ましい。

「山に居て一種のトランス状態になった時に、山を深く愛する気持ちがあれば山の思念と繋がるんだ。長老やヨシなんかはその為に修行したりしてるからな。
初見で、しかも歌でそうなれるジュンさんとカグラは本当に規格外なんだろうよ。
で、アスミちゃんはそんなに山と繋がりたいのか?」

「いや、そりゃまぁ山と繋がれなきゃ山狼族として認められてない気がするし・・・」

「だが今日は完全憑依してはヤラねぇぞ」

あっ、そうなんだ・・・俺は何となくそういう気分だったんだけど・・・チラッとミイを見るとすでにリューと繋がっていた。うん、だと思ったよ。

「今、山と繋がるとジュンさんとカグラの気配まで感じるだろうからな。オレのアスミにあの二人を感じさせてたまるかって・・・」

そう言ったケンショーさんに唇を塞がれた。

えっ?何?嫉妬?嫉妬なの?!

 ケンショーさんの舌が上唇の裏側と前歯の間に入り込み、歯列をなぞった後、裏唇の粘膜を執拗に舌先で刺激される。下唇も同様にされ、だらしなく口を開いた俺は、ケンショーさんの舌を当たり前のように口内へと受け入れた。分厚い舌は俺の内頬や上顎を舐め上げた後、ガッツリと俺の舌に絡みつく。

それと同時にいつもより荒々しく愛撫が始まる。服の中に侵入して来た手が俺の腹を撫で回し、すぐにその上にある小さな粒へと向かって来る。

いきなりキュッと両乳首を摘まれた。

「ひぃっん!!やあぁぁぁん!!!」

いつもは焦らされ気味なのに・・・最初からの強い刺激に体が戸惑う。

「・・・今日、二の滝でジュンさんに見惚れてただろ?だからちょっとお仕置きだ」

「えっ?!だ、だってあれは仕方なくない?ケンショーさんだって見惚れてたじゃん・・・あひいっ!いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」

そのままギリっと乳首を捻られ、悲鳴にも似た声を上げてしまう。

「確かにあれには誰もが見惚れるだろうよ。ジュンさんにはそれだけのオーラがあるもんな。だが、あの色気にあてられ頬を染める番を黙って見てられるほど、オレの器は大きくねぇんだ。
アスミが誰のものかじっくりと分からせてやるよ」

「お、俺の身も心も充分にケンショーさんのものだって!!分かってんだろっ?!」

「分かってるつもりだったんだが、あんな規格外の男を目の当たりにしたら・・・ちょっと自信がなくなったんだわ。だからアスミ、お前の体にオレを刻みつける」

いやいやいや、今でも充分刻みついてるでしょうがっ?!!

 そんな心の叫びも虚しく、あっという間に服を脱がされ、執拗に乳首を責められる。摘まれ捻られた後、ピンと勃ち上がり小さいながらもかなりの主張をしているそれを、ケンショーさんは舌先でコロコロと転がし、もう片方は指先でコリコリと扱いてくる。

「あっ、あっ、やぁぁぁぁ!!もうっ!乳首ばっかしつこ・・・」

「だからお仕置きだって言ってんだろ?今日は乳首だけでイケるまで弄ってやるよ」

「む、無理だよぉ・・・もうヤダ、下も触って欲し・・・」
 
散々乳首を痛ぶられ、俺のモノはすでに勃ち上がってはいる。が、直接的な刺激がないので吐精までには到底至らない。

「しゃーねーな。穴は弄ってやるよ。もちろんオレのちんこもぶち込んでやる。だが、アスミの可愛いちんこは一切触らねぇ。頑張って中と乳首の刺激だけでイこうな」

そ、そんな・・・いわゆるトコロテンってヤツをしろって事だろ?

俺はまだ中の刺激だけでイッた事はない。だっていつもケンショーさんは、挿れてから俺のモノも乳首も全部一緒に責めて来るんだ。それで俺はわけが分からなくなって・・・出しまくった最後の方は、中だけでもめちゃくちゃ気持ちいいんだけど最初は・・・

「そんなの無理だよぉ・・・俺、最初は前を触ってがっつりイキたい・・・」

「別に出すなとは言ってねぇぞ?がっつりイケばいいじゃねぇか。オレに貫かれながら蜜を出せよ。ほら、その為にじっくりと解してやるから」

ケンショーさんは香油を取り出し、洗浄魔法をかけてから俺の穴に丁寧に塗り込んでいく。

まず指が一本挿入された。

中への刺激だけでイッた事がないとはいえ、そこはケンショーさんに毎日のように開発され、立派な性器になってはいるわけで・・・

あっという間に柔らかく解れたそこは、二本になった指を咥え込みクパクパと物欲しそうにヒクついているのが分かる。

指が折り曲げられ中のしこりをグリっと擦られると、俺のモノが更に硬く芯を持った。

「ほら、アスミの体はもうここが感じる場所だって知ってるじゃねぇか。ここをオレで満たしてやるから遠慮なくイケよ?」
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