【完結】山狼族の長はツンデレ黒猫を掌中に収める

ルコ

文字の大きさ
上 下
32 / 40
再びツリーハウスで

アスミイ2

しおりを挟む

 長い長い吐精・・・・・・俺の中にショーリューが満ちていく・・・山狼族の長であり、犬科動物の王・・・そんなケンショーとリューが混じり合ったショーリューが・・・アスミとミイの中で溶け込み・・・抱擁され混じり合っていく・・・

俺はアスミイだけど・・・俺の中にはショーリューが居て・・・

そう、俺たちは一つの存在。

元々俺たちは一つだったんだ。

それが番。

一つの魂が別れ二つになったけど、こうしてまた一つに戻った。

・・・あぁ、そうか。山のおかげで俺たちは出会えたのか。

 特定の山の中で、犬科動物の精霊と契約する山狼族。それは山そのものの意思だった。

昔、住んでいた狼の群れが絶滅した事を嘆き、別世界にあった犬科動物の精霊界と自分の一部とを繋いだ山。そして山はそこに住む魔族と、犬科動物の精霊が契約出来るようにしたんだ。

割と強引に。

また狼を自分の懐に抱きたかったから。

山は、絶滅した群れを率いていた狼の長の気高い姿が忘れられなかった。

それは恋のようなものだったのかもしれない。

そして、犬科動物の精霊もそれを拒否しなかった。最初は違う世界で主人を得たいと思った精霊も多かったようで、山に住む魔族との契約が大量に成されたんだ。

それが山狼族の始まりだ。

だが、元々こっちの世界とは関わりがなかった犬科動物の精霊。猫科動物の精霊とは色々と基準が違う。
なかでも契約に関してはかなりシビアで、それが高い魔力を持った魔族でも、本気で仕えるに値すると認めた者としか契約はしなかった。忠誠心が強すぎるが故に、契約者は見極めなければならないらしい。
だから最初に大量に契約されて以降、年々契約精霊を持つ山狼族は減っていったというわけ。

自ら自然の摂理を乱してしまったと自覚のある山は、それ以上強引に犬科動物の精霊と山狼族となった魔族を契約させる事はしなかった。

けどそんな中、最初に大量に契約した精霊の中には猫科動物の精霊と番だった者も居たんだよ。

魔族の国の山で番に出会った話は、犬科動物の精霊界でも受け継がれていく。

 精霊界では種族によって住む世界が違う。それは、同じ建物に他の種族がいると分かっていても、存在する部屋が違うので会えない、といった感覚のようだ。

そういえばこの世界の猫科動物の精霊とドラゴンの精霊も、元々は会うことのない距離に存在していたんだ。

本来なら、別種族に生まれた精霊とは出会う事はない。

だが、元々一つだった魂が別れ、別々の精霊として生まれた場合は、当然惹かれ合う。

そんな番に出会いたいが為に、同じ世界に番がいない犬科動物の精霊は、その後も山が望む世界での契約を続けてきた。

番がその世界にいるかもしれないから。

 その別種族の魂の番がリューとミイ・・・それが混じり合った俺たち、ショーリューとアスミイ・・・

 俺は背後から激しく抽挿されながら、山の思いを受け入れる・・・あぁ、俺がすべてを許すよ・・・むしろ感謝してる・・・俺をショーリューに合わせてくれてありがとう・・・このまま、俺たちのような番なのに別種族で生まれてしまった精霊が番えるように・・・山狼族を守って行くよ・・・

・・・本当に番ならば本能で分かるはずだから・・・猫科動物の精霊に番が居るのなら、別世界の犬科動物の精霊は山を通じて山狼族と契約するはずだから・・・

 完全憑依してのSEXは、精神的にも肉体的にも神聖な行為。

その理由が分かった俺は・・・いや、ケンショーとリュー、アスミとミイは・・・完全に一つになって・・・何度目か分からない絶頂とともに・・・意識を飛ばした。


 目が覚めると、アスミとミイに戻っていた。隣で眠っているのはケンショーさんとリュー。じっと見つめていると、ケンショーさんが目を覚ました。
 
「ん~おはようアスミちゃん」

「・・・おはよう」

「何だよ?山の意思によって結ばれたオレたちだろ?遠慮なくイチャイチャしようぜ」

だからケンショーさんになるとノリが軽いんだって!!

山の意思や真理なんて関係なく俺を可愛がるケンショーさん・・・マジでブレねーな。

それが嬉しくもある俺は・・・

「魂の番だって事を理解したからな・・・俺はこれから一生あんたの側に居てやるよ」

「・・・アスミ・・・・・・うはは!最高じゃねぇかっ!!一生可愛がってやるよ。俺の唯一・・・オレの番・・・」

信じられない事にケンショーさんの目に涙が浮かんでいる・・・そんな事実にテンションが上がりまくった俺は、無謀にもケンショーさんを煽りまくってしまい・・・三日三晩、ツリーハウスに監禁されアスミとしてもアスミイとしても貪り尽くされてしまったんだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

番から逃げる事にしました

みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。 前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。 彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。 ❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。 ❋独自設定有りです。 ❋他視点の話もあります。 ❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

逃した番は他国に嫁ぐ

基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」 婚約者との茶会。 和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。 獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。 だから、グリシアも頷いた。 「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」 グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。 こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。

大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!

みづき
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。 そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。 初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが…… 架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

君は番じゃ無かったと言われた王宮からの帰り道、本物の番に拾われました

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ココはフラワーテイル王国と言います。確率は少ないけど、番に出会うと匂いで分かると言います。かく言う、私の両親は番だったみたいで、未だに甘い匂いがするって言って、ラブラブです。私もそんな両親みたいになりたいっ!と思っていたのに、私に番宣言した人からは、甘い匂いがしません。しかも、番じゃなかったなんて言い出しました。番婚約破棄?そんなの聞いた事無いわっ!! 打ちひしがれたライムは王宮からの帰り道、本物の番に出会えちゃいます。

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! 本編完結しました! リクエストの更新が終わったら、舞踏会編をはじめる予定ですー!

子持ちの私は、夫に駆け落ちされました

月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

今世はメシウマ召喚獣

片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。 最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。 ※女の子もゴリゴリ出てきます。 ※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。 ※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。 ※なるべくさくさく更新したい。

処理中です...