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山狼族の集落
アスミ1
しおりを挟むシーアさんに、アスミとミイに戻ってシーナさんと話してみれば?と提案され、それはいいかもと思った。
だって前世のシーナさんも小さくて可愛いものが好きだったし、猫を飼ってるって話も聞いた事がある。ゴールデンレトリバーのナンよりも小さいミイに興味を持つかもしれない。
それに、前世のシーナさんは決して話が通じない人じゃなかった。ミイがとっかかりになって少しでも話してくれるなら・・・
ショーリューから焦った感情がなだれ込んで来たけど・・・帰る時にはまた完全憑依するからと宥めれば、何とか納得してくれた。
早速完全憑依を解いて、アスミとミイに戻る。ショーリューもケンショーさんとリューに戻ったようだ。別にそのまま待ってくれててもいいのに。
「あらぁ!やっぱりアスミちゃんもミイちゃんも可愛いわぁ。特にミイちゃん、シーナは絶対にミイちゃんが気になって仕方ないはずよぉ。」
「おいリュー!今はミイと繋がるな。シーナと話をさせるなら正気のままでいさせろ。あぁん?オレだって繋がりてぇわ!お前もちょっとくらい我慢しろよ。
で、シーア。オレのアスミちゃんが可愛いのは当たり前だが、本当にこれでシーナが絆されるのか?」
すぐにミイと繋がろうとしたリューにキレながら、ケンショーさんがシーアさんに聞いている。
「さぁ?分からないけど何もしないよりはいいでしょぉ?それにアスミちゃんがいい子だって分かったら、長から奪うのを躊躇うかもしれないしぃ。
シーナも根は優しいいい子だからねぇ。純粋だからこそあんな偏った考えになっちゃったのよぉ」
「・・・お前とは逆ってわけか?」
「あらやだぁ。褒め言葉かしらぁ?確かにわたしは純粋じゃないから、長老の思想に染まらなかったわけだけどぉ。
長に惚れるより、長が惚れてる子を愛でたかったしぃ?それが黒猫ちゃんで男の子なんて最高でしかないじゃなぁい・・・」
「なら何で邪魔するんだよっ?!くそっ!ツリーハウスに戻ってヤリまくる予定が・・・」
「だってアスミちゃんとミイちゃんを別々でも見てないとぉ、ケンショー×アスミとリュー×ミイの完璧な妄想が出来ないしぃ」
「お前っ!それが理由か?!」
何か仲良く?話をしているケンショーさんとシーアさんは放っておいて、シーナさんの所へ行く事にした。
リューもこっちに付いて来たそうだったけど、ケンショーさんの側から離れれずにいたので俺とミイだけで天幕に向かう。その前まで行くと、シーナさんの泣き声とそれを宥めるトシさんの声が聞こえた。
「もうっ!!どうしてあたしじゃダメなのよっ?!小さい頃からずっとケンショーだけが好きなのに・・・」
「狼は番一筋だからな。シーナは長の番ではなかったんだから仕方がない」
「けど、けど、じゃあ山狼族はどうなるのよっ?!あの黒猫は男だから子どもは産めないし・・・ケンショーの子なら狼の精霊と契約出来るかもしれないのに・・・だからあたしが産むって言ってるんじゃない。なのに、た、た、勃たないなんて・・・あたしってそんなに魅力ないのっ?!」
「いや、おれにとってはありまくるが・・・」
「なら何でよっ?!!」
「僕、シーナは可愛いと思うよ」
「「?!!!」」
えっ?!ミイが天幕の中に飛んで行って会話にも乱入した??!
「な、何よこの黒猫・・・まさかケンショーの番の契約精霊?完全憑依してたんじゃなかったの??っていうか、何勝手に入って来てるのよっ?!」
タイミングを伺ってたんだけど、こうなったら俺も入って行くしかないよね?
「シーナさん、トシさん、俺の契約精霊がすみません。あっ、俺はアスミ。その契約精霊はミイです」
「そっ、そんな事は分かってるわよっ!あんたも何勝手に入って来てんの!出て行ってよっ!!」
「ケンショーもシーナの事を可愛いと思ってるよ。だから抱けないんだよ。大事だから。大事な妹に体だけの行為なんて出来ないでしょ?シーナだってそれを分かってるんでしょ?」
うわぁ・・・ミイが容赦なく正論をぶち撒けてるよ・・・
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