【完結】朱雀と白虎は黒を狩る
俺の名前は、白崎 真琥(しろさき まこ)、二十一歳。大学に通いながら、朱雀メンタルクリニックで働くホグハンターだ。
朱雀クリニックのホグハンターは二人。俺と、朱雀 慧(すざく けい)、二十八歳。ケイは、俺の上司であり元主治医でもある。
ホグハンター?って何?当然の質問だね。けどその前に今の世間のドラッグ事情について説明する。
まず、今の日本ではコバルトというドラッグが蔓延している。コバルトはPTSDの治療薬として開発された薬だ。
先に出回っていたMDMAの改良版で、今度こそ純粋に医療用にと開発されたにもかかわらず、あまりにぶっ飛んだ作用の為にドラッグ好きに一気に広まってしまった。
その作用とは、とてつもない多幸感とともに、自分の思いを実体化出来るというもの。それは、最初コバルトブルーの幻覚として摂取者の目に映り、やがてホログラムのように見え、握りこぶし大に実体化する。それがホグ(ホログラムの略)だ。摂取後、一時間くらいでホグが出せ、薬が効いている三時間〜五時間はホグの存在が持続する。
トラウマがない人間が出すホグは、大抵は小動物などの害がないものだ。しかし、純粋な医療用のコバルトではない、クラブなどで流通している物には混ぜ物が入っており、それがバッドトリップを引き起こしホグを暴走させる場合がある。
悪意に満ちたホグは青みが濃い。濃紺のホグは他のホグを攻撃する。傷つけられたホグの痛みと恐怖は、ホグを出した本人へと返り、新たなPTSD患者が誕生してしまう。
そんな濃紺のホグを仕留めるのがホグハンター。つまり俺の仕事だ。
だがある日、黒いホグが現れたという報告が入り……
ーーーーーーーーー
☆本作品はあくまで架空の世界の物語であり、筆者はドラッグを容認しているわけではありません。また、ドラッグの知識についても素人がネットで調べた程度です。
☆精神科でそんなに簡単に危険性がある薬が処方される事はないと思いますが、架空の物語なのでご容赦ください。
診察内容も、ドラッグの合成レシピ等も完全に筆者の空想です。同様にご容赦願います。
☆薬物を題材にしている為、R18にしていますが、BL的な性描写はありません(後日、R18BLバージョンで書くかもしれませんがw)。
目次
感想
あなたにおすすめの小説
マクデブルクの半球
ナコイトオル
ミステリー
ある夜、電話がかかってきた。ただそれだけの、はずだった。
高校時代、自分と折り合いの付かなかった優等生からの唐突な電話。それが全てのはじまりだった。
電話をかけたのとほぼ同時刻、何者かに突き落とされ意識不明となった青年コウと、そんな彼と昔折り合いを付けることが出来なかった、容疑者となった女、ユキ。どうしてこうなったのかを調べていく内に、コウを突き落とした容疑者はどんどんと増えてきてしまう───
「犯人を探そう。出来れば、彼が目を覚ますまでに」
自他共に認める在宅ストーカーを相棒に、誰かのために進む、犯人探し。
その人事には理由がある
凪子
ミステリー
門倉(かどくら)千春(ちはる)は、この春大学を卒業したばかりの社会人一年生。新卒で入社した会社はインテリアを専門に扱う商社で、研修を終えて配属されたのは人事課だった。
そこには社長の私生児、日野(ひの)多々良(たたら)が所属していた。
社長の息子という気楽な立場のせいか、仕事をさぼりがちな多々良のお守りにうんざりする千春。
そんなある日、人事課長の朝木静から特命が与えられる。
その任務とは、『先輩女性社員にセクハラを受けたという男性社員に関する事実調査』で……!?
しっかり女子×お気楽男子の織りなす、人事系ミステリー!
答えの出口
藤原雅倫
ミステリー
1995年、
僕が生きている世界でとりまく様々な人々。
現在から過去に於いて巡る遠い記憶と現実の中で、
何処へ、
何に向かって生きているのだろう。
ある日メールボックスに届いた署名のないメッセージ。
僕に巻き起こる「真実」と「絶望」の行方は、、。
この小説は、
古い格差社会やジェンダー問題によって繰り返されてきた
強大な音楽業界組織のスキャンダル隠蔽を、
恋愛とミステリーを通して暴き描いて行く
現代ファンタジー長編小説の群像劇となります。
藍円寺昼威のカルテ
猫宮乾
キャラ文芸
精神科医の藍円寺昼威は、若くして開業したが患者が来ないため、救命救急でバイトをしている。昼威は生まれつき、実家が寺で、霊が視える――が、いいやそれは気のせいだと考えて、視えたらホコリとして手で払い(祓いでは無い)、無かった事にして生きている。また、常に金欠だ。そんな彼のクリニックには、高校時代の後輩だった神主(とその神社の神様と、遣いの妖狐)が時々、特殊なバイトを頼みに来る。そんな日常のお話です。
たましいの救済を求めて
手塚エマ
ミステリー
臨床心理士の長澤麻子は、
多重人格障害と思しき少年のカウンセリングを担当する。
以来、麻子に説明のつかない怪奇が襲来する。
臨床心理士として致命的なトラウマを持つ麻子と、
トラウマに立ち向かう少年の、
魂の救済を描きます。
シグナルグリーンの天使たち
聖
ミステリー
一階は喫茶店。二階は大きな温室の園芸店。隣には一棟のアパート。
店主やアルバイトを中心に起こる、ゆるりとしたミステリィ。
※第7回ホラー・ミステリー小説大賞にて奨励賞をいただきました
応援ありがとうございました!
全話統合PDFはこちら
https://ashikamosei.booth.pm/items/5369613
長い話ですのでこちらの方が読みやすいかも
劇場型彼女
崎田毅駿
ミステリー
僕の名前は島田浩一。自分で認めるほどの草食男子なんだけど、高校一年のとき、クラスで一、二を争う美人の杉原さんと、ひょんなことをきっかけに、期限を設けて付き合う成り行きになった。それから三年。大学一年になった今でも、彼女との関係は続いている。
杉原さんは何かの役になりきるのが好きらしく、のめり込むあまり“役柄が憑依”したような状態になることが時々あった。
つまり、今も彼女が僕と付き合い続けているのは、“憑依”のせいかもしれない?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる