15 / 51
ユイ カフェ マデリカ
3
しおりを挟むその後、ハンバーガーにして食べたのもヤバいくらい美味しかった。もう一個いける!
食後のドリンクをランさんが運んで来てくれた。ありがとうございます。
「こうやって見るとユイくんは、キョウくんとよりレンと兄弟に見えるわね。」
「姉さん、俺、弟って言うより息子が出来た気分だよ。めちゃくちゃ可愛いんだけど。」
「本当の息子だと何かと反発するし、逆にそこまで趣味や嗜好は似ないわよ。ねぇ、キョウくん。」
「まぁ、そうですね。親父の音楽は素直に凄いと思いますが、そこまで傾倒してはいないので。」
そりゃそうだよな。俺も父さんに傾倒なんかしないし、カグヤも母さんの事は嫌ってはいないけど、リスペクトもしてない感じだもんなぁ。
そう思って兄の方を見ていると、こっちを見返された。
「何?」
「えっ?あ、あの、兄さ、いや、」
「オレの事なら、兄でもキョウでも好きに呼べばいい。」
「じゃあ、兄さんと呼ばせていただきますね?兄さんは・・母さんと姉の事はどう思ってるんですか?」
「母には正直いい思い出がないんだけど・・いつも怒っていたしな。それでも虐待されていたわけでもないし、今から思えば、母も十代で子どもを産んでいっぱいいっぱいなガキだったんだって分かるよ。
親父と別れてからは落ち着いたみたいだし、今のユイの母さんが本物の母なんじゃない?
親父も親父で若い頃は色々節操がなかったし、仕方ない。そんな親父そっくりのオレに会いたくないのも理解出来る。」
「カグヤとは生存確認程度のやりとりはあるからね。あいつは性格的に若い頃の親父に似てるみたいだな。まぁ、強かに生きているみたいだしいいんじゃないか?正直嫌いではないよ。かと言って別に会おうとまでは思わないけど。」
「姉が言うには、母さんは自分に一途な男じゃないと無理なタイプらしいです。俺の冴えない父さんと結婚してからはすごく落ち着いてて、全く普通の主婦ですね。
カグヤ・・姉に、昔派手な格好をしてライブハウスに通ってたって聞いてめちゃくちゃビックリしたくらい今は普通ですよ。」
「カグヤは・・姉って言いにくいんでもうカグヤにしますね、正直ビッチです。一人の男に絞らず、常に色んな男を侍らせてます。けど女とも仲良く楽しくやってるようで意味が分かりません。普通嫌われますよね?」
「プッ!ちょっと本当にジュンさんの女版じゃん!俺カグヤちゃんにも会ってみたいわ!」
「ダメ!アスはカグヤに会うの禁止!!」
「何でだよ??!」
「そりゃ、アスラちゃんがカグヤちゃんに惚れたら嫌だからに決まってるでしょ?」
「はっ?レンさん?冬崎先輩がウチのビッチに?ないない!兄さんも心配しなくても絶対大丈夫だと思いますよ?カグヤは兄さんに似てないし・・顔は母さん似なんです。どっちかって言うと、ビッチって言った後に申し訳ないですけど、ランさんみたいな感じです。」
「・・ますます心配だ・・・」
「だね・・・」
兄さん?レンさんまで何で??!
「あらぁ!ユイくん、ぜひ今度カグヤちゃんを連れて来て欲しいわ!仲良くなれそう♡」
「嫌な予感しかない。」
「だね。」
だから何で??!
「あ~、ユイくん、ランさんはキョウとジュンさん、秋月親子の天敵なんだよ。
何て言うの?この二人に魅了されずにやり返せる稀有な存在と言うか・・・」
「・・何か分かります。カグヤも普通に言い返しそうで・・あっ、カグヤがシグに会わせろってうるさいんですよね。もし、こっちに来てみなさまにもご迷惑をかけたらごめんなさい。」
「えっ?!私、カグヤ様のお眼鏡にかなうでしょうか??」
「・・・・・・」
「何故みなさま沈黙なさるのです??!」
「大丈夫よぉ!私的には秋月親子よりシグくんの方が好感持てるわよ?」
「ラン様!そのような畏れ多い言葉を・・」
「だって、秋月親子の考えてる事なんか大体分かるもの。ある程度計算して動く所とかね。
その点シグくんは予想外な言動をするから面白いわ。キョウくん一筋かと思いきや、ユイくんに猛アプローチするし。」
「それは!私にとってキョウ様は神にも等しいお方でありまして、恋愛対象にする事など決してあってはならない存在なのです!逆にユイは、私が守らねばならない唯一でございます。」
「そうそう、そういう所!すごく面白いし、ちゃんとユイくんに惚れてるって分かるからきっと認めてくれるんじゃないかな?」
ランさん、よく分からないけどすごい説得力です!!
何か色々大丈夫な気がして来た!!!
0
お気に入りに追加
81
あなたにおすすめの小説
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
学園と夜の街での鬼ごっこ――標的は白の皇帝――
天海みつき
BL
族の総長と副総長の恋の話。
アルビノの主人公――聖月はかつて黒いキャップを被って目元を隠しつつ、夜の街を駆け喧嘩に明け暮れ、いつしか"皇帝"と呼ばれるように。しかし、ある日突然、姿を晦ました。
その後、街では聖月は死んだという噂が蔓延していた。しかし、彼の族――Nukesは実際に遺体を見ていないと、その捜索を止めていなかった。
「どうしようかなぁ。……そぉだ。俺を見つけて御覧。そしたら捕まってあげる。これはゲームだよ。俺と君たちとの、ね」
学園と夜の街を巻き込んだ、追いかけっこが始まった。
族、学園、などと言っていますが全く知識がないため完全に想像です。何でも許せる方のみご覧下さい。
何とか完結までこぎつけました……!番外編を投稿完了しました。楽しんでいただけたら幸いです。
ヤンキーDKの献身
ナムラケイ
BL
スパダリ高校生×こじらせ公務員のBLです。
ケンカ上等、金髪ヤンキー高校生の三沢空乃は、築51年のオンボロアパートで一人暮らしを始めることに。隣人の近間行人は、お堅い公務員かと思いきや、夜な夜な違う男と寝ているビッチ系ネコで…。
性描写があるものには、タイトルに★をつけています。
行人の兄が主人公の「戦闘機乗りの劣情」(完結済み)も掲載しています。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
うちの前に落ちてたかわいい男の子を拾ってみました。
まつも☆きらら
BL
ある日、弟の海斗とマンションの前にダンボールに入れられ放置されていた傷だらけの美少年『瑞希』を拾った優斗。『1ヵ月だけ置いて』と言われ一緒に暮らし始めるが、どこか危うい雰囲気を漂わせた瑞希に翻弄される海斗と優斗。自分のことは何も聞かないでと言われるが、瑞希のことが気になって仕方ない2人は休みの日に瑞希の後を尾けることに。そこで見たのは、中年の男から金を受け取る瑞希の姿だった・・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる